傘ぽんを開発した村春製作所の2代目村上専務
は、新倉計量器の新倉社長の無料配布の
アイデアを承諾し、
傘ぽんは少しづつ売れはじめました。
使ってみないとわからないモノ、
たいていの新商品はそういうものです。
食べてみないとうまさがわからない
新しく出来たラーメン屋みたいなものです。
まずは無料でもなんでも、
使ってもらうこと、
食べてもらうことです。
そのときに大事なポイントは、
「誰に」使ってもらうか。
です。
駅前のティッシュ配りでさえ、
渡す人をある程度選んでいます。
美容院なら女性に配る、とかその程度ですが。
誰に使ってもらうか。
とはつまり、
ターゲットに使ってもらう。
ということです。
それ以外の人に使ってもらうことも、
意味はありますが、優先順位が
かなり低いです。
へたをするとこんなことになります。
シニアに使いやすい、持ちやすく書きやすい
ペンを開発したとします。
10人にインタビューしたら、
7人が確かに書きやすいけど、
色はピンクがかわいい。
と言ったとします。
それなら色はピンクの方が、
売れるでしょうか?
その7人が、30代のOLだったら、
目も当てられませんね。
試作段階では、
ターゲット以外の人の意見を、
聞いてもいいけれども、
取り入れてはいけないのです。
よくあるマズいパターン。
上司に意見を聞いたら、
「色は黒がいいんじゃない」
といったので、
黒で開発したら、
売れ行きが悪く、
上司も「オレは黒にしろと
言った覚えはない」
というパターン。
上司は自分の好みを言っただけ
だったんですね。
これは聞く方も悪いし、
聞かれた方も悪い。
上司も部下も、
新商品のターゲットを共有していないと、
こういうことになります。
分別のある上司なら、
「オレの好みは黒だけど、
ターゲットの好みはどうだろう?」
と考えるものです。
試作品の意見を聞くときは、
ターゲット思考を忘れずに!