Xperia BIKE

スマホのXperiaを装着できるソニーの電動アシスト自転車。といっても、IFA2014でのコンセプト出品。商品化したわけではありません。

 

このコンセプトの最もユニークなところは、前後のカメラ。

自転車では機能として難しかったバックミラーのかわりになるだけでなく、あのGoogle Mapのストリートビューカーみたいに、走行しながら360度の動画撮影ができる!!

そんなもん、いるのか?
と言われればそれまでなんですが、
なんだかワクワクしませんか?

それだけなら、電動アシスト自転車である必要もないのですが、なにせスマホは大飯喰らい。大型リチウムイオンバッテリーが装備されていると電源入れっぱなしにできる。電動アシストモーターはおまけなんですね、きっと。ついでにスピーカーまで付けたのは、蛇足かも。

 

実はソニーが電動アシスト自転車を発表したのは、これがはじめてではありません。まだ私がソニーにいたころ、2000年、エンターテインメント・ビークルという呼び名で国際自転車展に出展されました。

エンターテインメントビークル
出展:SONYエンターテインメント・ビークル (Finance WATCH)

 

前輪にダイレクトドライブモーターを配置し、ソニーお得意のリチウムイオンバッテリーをフレームに内蔵、回生充電機能まで搭載していました。社内の技術交換会で見た時、自転車好きだった私は興奮しました。事業化するときは異動しようと思っていましたが、商品化されることはありませんでした。

このころのソニーは、「エンターテインメント」という単語が大好きでした。遊び心と余裕がありました。リチウムイオンバッテリーをハイブリッドカーに売り込んでいたソニーは、ただの遊びでこのコンセプトバイクを試作したのではありません。将来の車の電動化とインホイールモーターの可能性を探る、技術蓄積を狙った試作だったと今では思います。

 

その後の社内の技術交換会の変遷を見ると、モノになるかならないかわからないような技術蓄積のプロジェクトが、徐々に減っていったように感じます。現在はソニーの中で放課後プロジェクトがいくつも立ち上がっているようです。その中から、未来のソニーの柱になるような技術が育つことを期待します。