基礎科学に比重が高かったノーベル賞が、
実用科学にも光を当て始めたことは、
いい傾向ですね。

iPS細胞の山中教授。
青色LEDの中村教授。

 

特に今回の3名のノーベル賞受賞者は、
そのバランスが素晴らしい。

言い出しっぺ、絶対にあきらめないリーダー
赤崎勇教授

結果が出るまで、絶対にあきらめない研究者
天野浩教授

成功するまで、絶対にあきらめない製品開発者
中村修二教授

3人とも、絶対にあきらめない人。
やり続ける人。

 

そして、

できると信じてやり始めた人
できることを証明した人
量産に結びつけた人

この3人とも評価されたことが、
素晴らしいことだと思います。

 

私はソニーにいて、
研究から開発、設計、商品化と
渡り歩きました。
言い出しっぺが妙にクローズアップされたり、
最後に商品化した事業部長だけが評価されたり、
と、長期のプロジェクトでは、
どうしても評価のバランスが難しいのです。

社員はどういう人が評価されたのか、
結構しっかり見ています。
そして評価されるように志向します。
企業経営にとって評価は、
その後の研究開発の行く末を決定づける
重要な判断なのです。

照明青

現在私達がLED照明の恩恵を受けられるのは、
限りなくたくさんの人の努力が関わっています。

最初に前人未到の青色LEDを発光させた
二人の功績は間違いなく大きい。
しかし、たった一回発光させる技術から、
大量に長時間発光させる技術の間には、
太平洋のような隔たりがあります。
その未知の航海を渡りきった中村教授もまた、
大きな功績があります。

 

その量産化技術に対しても、
ノーベル賞が目を向けたことは、
今後科学技術を目指す日本の若者の意識に、
素晴らしい影響を与えると思います。