大阪に伊勢丹ができたのが、2011年5月。
当時のキャッチフレーズが、
「なぜ、大阪に、また百貨店。きっと誰もがそう思う。」
そして3年後、
「ずっと誰もがそう思う」
まま、ついに一時閉店に
追い込まれました。
正式名称が、
JR大阪三越伊勢丹
なんだか東京三菱UFJ銀行みたいな
パッチワークな名前。
実際、その生い立ちや、
顧客ターゲットも、
パッチワークでした。
伊勢丹といえば、関東では
「ファッションの伊勢丹」
として、押しも押されぬ存在感。
2008年に三越と合併して、
百貨店の売上シェアは、
16.8%でトップです。
とはいえ、なにぶん東京の
「ええかっこしい」が大嫌いな大阪人。
開店前から苦戦は予想されていました。
JR大阪三越伊勢丹は、
JR西日本60%
三越伊勢丹ホールディングス40%
の合弁会社。
元は三越大阪店の後継店舗の予定でした。
ところが三越は経営がつまずき、
伊勢丹と合併。
三越大阪店のお得意様は、シニア層でした。
一方伊勢丹のお得意様は、
30代から40代の山の手マダムのイメージ。
大阪三越伊勢丹は、そのどちらもターゲットにして、
売り場が混乱し、失敗しました。
新宿で高級ブランドのテナントを
軒並み押さえている伊勢丹も、
大阪では既存の競合店にすべて
もっていかれました。
そんな中で伊勢丹が得意とする、
社員が自主的に仕入れ販売を一貫して
行う複数ブランド同時ディスプレイ陳列も、
活かされることはありませんでした。
テナントから見ても、
大阪三越伊勢丹のやりたいことが、
パッチワークにしか見えなかったのでしょう。
JR西日本は、改装後、
好調の隣接するルクアの専門店を
150店舗増床。
一方の三越伊勢丹は40%に縮小。
出資比率どおりですね。
パッチワークターゲット。
ターゲットを寄せ集めてはいけません。
JRのほうが商売がうまくなってきたようです。