ターゲットを絞りに絞って、
ターゲットのためだけに考えた商品は、
ターゲットにとって魅力が格段にアップします。

問題は、その狭いターゲットに
グッと近づかない限り、
ターゲットに気づいてもらえない。
ということです。

 

金属加工が得意な企業が集積している
新潟の燕三条エリア。
そこでペンチ・ニッパーなどの
工具製造で有名なツノダの子会社として出発した
ゴッドハンド社。
その生い立ちから、最初からニッチな商品開発
を運命付けられていました。

ゴッドハンド社のアルティメットニッパーは、
プラモデル用に特化して開発されました。
用途は、ゲートと呼ばれる枠からパーツを
切り離すためだけに限定しました。

このニッパーでパーツを切り離すと、
豆腐のように切れて、切り口の断面が
色も変わらずに滑らかなまま。
後処理が格段に楽になりました。

売りだしたところ、マニアのモデラーたちに
評判になり、高い評価を得ました。
ところが、しばらくすると売れ行きは伸びなくなり、
一日1丁程度になりました。

 

その状況を打開したのが、「ニパ子」です。
社内のデザイナーがアルティメットニッパーの
イメージキャラクターを自作し、Twitterで
拡散しました。
その日から、直販サイトのアクセス数は、
一日30から3000へと100倍に、
販売数は一日1丁から30丁へと10倍に増えました。

アルティメットニッパー
出典:楽天 ゴッドハンド直販サイト

 

今、プラモデルを作っているのは、
フィギュアのモデラーです。
イメージキャラクターが、彼らの感覚に
ぴったりフィットしたのです。

 

どんなにいいモノ、こだわったモノでも、
ターゲットの気持ちに添えなければ、
売れる見込みはありません。
どこにいけば、ターゲットの気持ちと
触れ合えるのか。

それを考え抜いて、実行すれば、
飛躍への一歩を踏み出せます。