世界シェア72%の岡本硝子の歯科治療用デンタルミラーとは何か?
では、岡本硝子のデンタルミラーの、
1.断熱機能
について解説しました。
光を反射し、熱を透過する鏡。
多層コーティング技術によって熱くないライトを実現しています。
これだけでも素晴らしいのですが、
さらに歯医者さんにありがたい機能があと二つあります。
まずは、
2.無影灯機能
歯医者さんは狭い口の中で作業するので、
自分の指や治療器具で影ができると、
患部がよく見えません。
デンタルミラーの表面に細かい湾曲をたくさん作り、
一つのライトの光を、いくつもの方向から射す光に変えます。
すると影ができにくいのです。
3.自然光再現機能
歯医者さんは患部の状態を微妙な色の識別で判断しています。
歯の動脈と静脈を見分けるには、限りなく自然光に近い
光の再現が必要です。
また、新しい歯をつくるときには、他の歯と白さを合わせる
ことが求められます。
真珠は自然光でしか微妙な白さの違いを識別できないそうです。
同じように歯も自然光で見た時の自然さが重要です。
岡本硝子のデンタルミラーは、屈折率の異なる薄膜を、
均一に何重にもコーティングすることで、
光の波長によって、反射させたり透過させたりできます。
それにより自然光に近い光のスペクトル分布を実現しています。
出典:岡本硝子 薄膜技術
この光の波長によって、反射と透過で選択的にコントロールする技術は、
極めて高度な技術で、一朝一夕で実現できた技術では
ありません。
実は、ここまで高度な技術を開発したのは、
そもそも歯科治療用のデンタルミラーのニーズが
あったからではありません。
岡本硝子はデンタルミラーで世界で圧倒的なトップシェアです。
なにがきっかけで、岡本硝子がデンタルミラーに
必要な高度な技術を開発するようになったのか?
そこに、企業が飛躍するための経営の論理があるのです。
次回は、デンタルミラーの開発のきっかけについて、
掘り下げます。