モノに魂を込めることができるか
これがソニーにいたころの私の疑問でした。
魂なんて科学で説明できるものではありません。
ソニーに入社した当時、
エスパー研究所
といって、Oリングテストの応用などを、
真剣に研究する部署がありました。
ですから魂なんてことを言いいだすのは、
ソニーのカルチャーからすれば、
そんなにおかしなことでもないのです。
仏作って魂入れず
ということわざがありますね。
職人が作った一品モノであれば、
魂のこもった作品。
という言葉に違和感はありません。
でも量産品となるどどうでしょう??
私の追求したいことは、
量産品に魂をどうやったら込められるか
です。モノづくりと大量生産は、
切り離せません。
よく「モノづくり」というと、
すぐに職人技みたいな話になりがちですが、
モノづくりの課題は、
普段の生活に使われるありふれた商品にこそ、
多く存在します。
どうしてすぐ壊れるの?
ボタンがいっぱいで使いにくいんですけど。
取説が分厚すぎ。
使い捨てっていいの?
もっと安くならないの?
安かろう悪かろう
いいモノ作ったけど、売れないんですけど
いいモノってどうやってつくるの?
シーズが先、ニーズが先?
イノベーションって何?
中国がマネしてくるんですけど。
iPhoneってすてき
ソニーらしさって何?
新しい技術を開発したり、
ユニークな商品を企画開発設計したりすればするほど、
いろんな疑問が頭を渦巻いて、
収まりがつかなくなりました。
ライフスタイルをイメージする、ラック職人島崇
そこで、会社帰りに大学院に通うことにしました。
東京理科大、技術経営の大学院一期生
ここで2年間みっちりソニーの外のモノづくりの
世界を勉強しました。
そこで得た私のひとつの結論。
モノに魂を込めることは、「できる」
やり方次第。
人と人をつないで、共鳴させるのです。
魂のこもったモノとは?
やり方次第というけれど、どうやるの?
また次回のお楽しみ。
⇒ 魂のこもったモノ