外食してファミリーの注文の仕方を観察すると、そのファミリーが個別所有志向かシェア志向かがわかります。
ラーメンの人気店。
人気ナンバーワンは、店の看板、鶏白湯ラーメン。
人気ナンバーツーは、ネットで人気、通好みの塩ラーメン。
家族3人でこの店にはじめてきて、
さあ、何を頼むか?
■個別所有志向オーダーパターン
父:鶏白湯
母:鶏白湯
子:鶏白湯
まずはこの店の実力を測るために、
看板商品ははずせない。
したがって、3人共鶏白湯。
■シェア志向オーダーパターン
父:塩
母:鶏白湯
子:鶏白湯
基本的には鶏白湯なのだが、
塩も試してみたい。
鶏白湯も塩もみんなでシェア。
震災以来シェア消費が広がっているらしい。
冷凍食品の売れ筋が、大盛りパスタ。
シニアが二人でシェアして食べるのにちょうどいい量。
カーシェアリング。
都会の人が冷静にコストパフォーマンスを計算すると、こちら。
Gmailなどのクラウド。
自分でデータを持つリスク軽減。
20世紀初頭のNapsterなどの音楽シェアソフトの台頭で、CDという音楽を「持つ」ビジネスモデルは、崩壊し始めました。CDのファウンダーであるソニーは、なんとかその崩壊を食い止めようと、複雑な著作権保護の仕組みを開発しました。
でも今になって思うのは、ソニーこそが、既存のビジネスモデル、ルールを破壊する役割だったのではないか。ということです。ソニー・ミュージックを持っていることが、シナジーを産み出すつもりが、変革期には足かせになってしまいました。
アナログビデオの時代の話ですが、アナログのコピーガード方式により、VHSデッキ同士では、簡単にはダビングできませんでした。でもソニーの8ミリビデオには、ダビングできました。もちろん方式の違いもありましたが、さりげなくその状態を放置する、心憎い会社がソニーでした。
もっと時代を遡ると、そもそも放送を録画するという文化を、タイムシフトというコンセプトでアメリカに認めさせたのは、他ならぬソニーの盛田昭夫の功績です。
YouTubeには違法なアップロードがあふれています。ひとつひとつ見つけ次第、YouTubeは厳しく対応しています。それでも追いつくことはありません。
でもそんなことは、自由にシェアできるこの方式をやめない限り、避けられないことは、はじめからわかっていたことです。
それでもやる。やり続ける。
かつ収益を確保する。
それがルールブレイカーの信念です。
■我が家のオーダーパターン
父:塩
母:鶏白湯
子:タンメン
誰が何を頼んだのかは、
基本的に関係なし。
3人で3種類のラーメンを
ぐるぐるシェアしながら
食べる。