関西で生まれ育った私は、「しらす」という言葉は
知らず、もっぱら「ちりめんじゃこ」で育ちました。

 

ちりめんじゃこといえば、
噛み応えのあるやつで、
特に固くて大ぶりのものが好きでした。
ごはんにかけて食べてもいけるし、
お腹がすいたときに、
おやつとしてパクパク食べるのが
幸せでした。

おじゃこ

と呼んでいたかな。

 

社会人になって関東に移り、
所帯をもったのが、三浦半島の葉山。
相模湾に面しており、魚介類の新鮮さは格別でした。

よく通ったのが、佐島漁港。

ここは水揚げされたばかりの旬の魚が、
年中格安で手に入ります。

鎌倉、逗子、葉山、横須賀のレストランの
オーナーがよくここで仕入れていました。

 

佐島のとある商店の若旦那と仲良くなり、
教えてもらったのが、
しらす直販の紋四郎丸。

ここの釜揚げしらすは

やばい

です。

若旦那いわく、地元の人は、そこからしか
買わないそう。
超超わかりにくいところにあるので、
佐島の観光客はまずたどりつけない。

なにが決め手なのか?

 

若旦那いわく、塩にすごくこだわっているか
といえば、そんなことはない。
他のしらすと変わらない。
塩加減が絶妙なんです。とのこと。

出ました!塩梅というやつですね。

 

とんでもなくアクセスの悪い小道を進むと、
紋四郎丸が海の近くに現れます。

 

しらすが揚がったばかりのときに出くわすと、
そこは戦場のようになっています。

大釜でさっと茹でられた大量のしらすは、
おばちゃんたちの手で、天日の網の上に、
手早くならされていきます。
すべて手作業。

 

ちいさなちいさなしらすを、
大量に網で捕獲して、新鮮なまま、
船から釜まで運ぶ。
ここにもノウハウがあります。

機械ではなく、その日の天候に左右される、
天日干し。手間もかかりますが、
季節や天気によって干し方も変わるのでしょう。

これらのノウハウの集大成が、
おいしさの決め手で、
決して塩加減だけではなさそうです。

 

 

紋四郎丸では、

生しらす
釜揚げしらす
干ししらす
堅干し(じゃこ)

としらすを4段階に分けて直販しています。

 

湘南でメインは釜揚げしらすですね。

関西の噛みごたえのあるちりめんじゃこに対して、
柔らかめのじゃこにあたるのが、干ししらす。

それよりさらに柔らかいのが、釜揚げシラスで、
干す時間が短時間なのです。

釜揚げしらすの出来立てを、
熱々の炊きたてごはんと食べるのが、
天国です。

しらすごはん

まだまだしらすのうんちくは続きますよ。
 次はこちら↓↓↓
海のものを「生」でいただく醍醐味その5、生しらす