【カタカナにツッコミ】シリーズ
このシリーズは、株式会社LIGの代表あいさつに出てくる意識高い系カタカナワードに、ひとつひとつツッコミを入れていくシリーズです。
前回は、エクセレント・カンパニー。
今回は、パラダイムシフトです。
パラダイムシフトはターニングポイントとは違います。
ターニングポイントが、その後の大きな変化のきっかけになった出来事、瞬間を表すのに対し、パラダイムシフトは思想や価値観が革命的に変化することを指します。たとえば、天動説が信じられていた時代から地動説が現れ、やがて地動説が主流の考え方にシフトするような変化です。
パラダイムシフトは一瞬にして起こることはなく、新しいパラダイムが登場してから時間をかけて浸透し、いつのまにか人々の考え方がすっかり以前とは根本的に変わってしまうことをいいます。
100年後から現代を眺めた時に、21世紀初頭に起こったパラダイムシフトはインターネット革命といっていいでしょう。20世紀後半の情報革命の時代は、多量の情報をいかに効率的に処理するかが問われる時代でした。そのころの情報のイメージは、提供されるもの、そして溢れるものでした。
しかしインターネットの普及により、受け取るだけの情報から、個が発信する情報の時代になりました。自分が経験した感動は、いままでは自分や家族のために記録・保存したいと考えていたものが、今やもっと幅広くすぐに共有したい。と考えるようになりました。
情報を受け取る側も、個々が発信する情報が膨大なのは当たり前のことであって、必要な情報をどうやって抽出するかが重要になりました。もはや溢れるという概念は古く、すくい取るという考え方です。
東京タワーから電波を広大なエリアに撒き散らすという発想が、徐々に古くなるのは当然のことです。テレビ、新聞、雑誌、百貨店などの撒き散らし型メディアが変化を余儀なくされています。大勢が大きなビルに集まって仕事をするような働き方が変わりはじめています。大勢を一箇所に集めて同じ話をするような教育システムも変わらざるを得ません。政治の仕組みや国家のあり方も、22世紀に向けて変わっていくでしょう。
コペルニクスが科学的な分析から地動説を発想したのが16世紀。ローマ教皇とカトリックが正式に地動説を認めたのが1992年。アメリカ人はいまだに4人に1人が地球が太陽の周りを周っていることを知らないというデータもあります。
私たちは、長い長いパラダイムシフトの転換期初頭に生きている、と考えるとワクワクしますね。
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