一度だけ、盛田昭夫に遭遇したことがあります。

入社した次の年だったと思います。
ソニーには、毎年開かれる技術交換会という全社をあげてのイベントがあります。技術発表会ではなく、交換会というところがソニーらしく、文字通り部署を超えて様々な技術を、異なる分野のエンジニアが交流、意見交換する場です。

会場は何箇所にも分かれており、そのうちの本社ビルのあるフロアを周っていたときに、ある方向から、なにか大きなパワーの塊のようなものが近づいてくるのを感じました。

そのパワーの塊の中心にいたのが、盛田昭夫でした。

想像したよりも背が高く、なにより大きな人物に見えました。写真で見るより少しふっくらしていて、トレードマークの白髪が輝いていました。

もしもオーラというものが、物理的に存在しているのなら、このときの盛田昭夫はまさにオーラを放っているとしかいいようのない、強力なパワーを周囲に放っていました。身体全体から光を発しているように感じたのを、今でも鮮明に覚えています。

盛田昭夫はさっそうと現れて、あるブースのエンジニアとなにやら会話を交わして、「わっはっは」と笑って、あっという間に別のフロアに消えていきました。

これが私の唯一の盛田昭夫との遭遇体験です。

その直後、大好きなテニスをしているときに脳内出血で倒れました。そのまま会社に復帰することはありませんでした。

盛田昭夫のオーラの正体
昨日の私の短い体験談。 「もしもオーラというものが、物理的に存在しているのなら、このときの盛田昭夫はまさにオーラを放っているとしかいいようのない、強力なパワーを周囲に放っていました。身体全体から光を発しているように感じたのを、今で…