100円ショップは、もはやコンビニと同じくらい、
生活に欠かせないお店になりました。

大型店にもなると、生活にかかわるモノが
ほとんど揃うと思えるほどの品揃え。
色とりどりのモノたちが、買って買って
の大合唱。
どんどんカゴに入れたくなる自分を、
グッっと抑えるのが大変です。

一方で、こんなに安かろ、悪かろのモノ
であふれていることが、
ほんとに豊かといえるのだろうか?
と疑問が頭をかすめたりもします。

そんな100円ショップに、
小さな子どもを連れて行けば、
あれも欲しい、これも欲しい、
あれも買って、これも買って、
と面倒なことになりそうです。

 

そこで私は、娘が5歳くらいのとき、
100円ショップを積極的に活用して、
子供になにか学ばせることはできないか?
と考えてやってみたのが次の方法です。

 

ステップ1.
「さあ、なんでも好きなモノを
カゴに入れていいぞ~」
と子供に夢のようなことを言う

ステップ2.
あっという間にカゴがいっぱいになるので、
「カゴは一個しかないんだから、
なんでもかんでも入れると重くなるぞ」
とアドバイス。
子供なりに、ほんとに好きなモノ、
欲しいモノを選別し始める。
たいして欲しくないモノは棚に戻させる。

ステップ3.
お店の中をいったりきたりしながら、
カゴがいっぱいになって
ある程度満足したところで、
「よし、じゃあ、これからこのカゴのものを
半分にするぞ。ふたつにひとつ欲しいモノを、
新しいカゴに入れていくんだ」
選抜に漏れた半分を棚に戻させる。

ステップ4.
「さあ、この中からひとつだけ、
好きなモノを買ってあげる。
カゴの中から一つを右手、ひとつを左手にもって、
どっちが欲しいか考えて、
どちらかを選びなさい。
要らなくなった方を別のカゴに入れて、
その手で次の候補を手にとりなさい。
そしてまたどちらかを選びなさい。」
しばらくそれを繰り返させる。
テンポよく素早く決断させる。

ステップ5.
途中でどちらも欲しくて、
すぐに決められなかったら、
どちらも欲しいカゴに残しておいて、
別の2つを手にとって比べる。

ステップ6.
カゴの中が5個くらいにまで減ると、
どれも欲しいモノばかりになる。
「では、ここからは一発勝負。
どれかふたつを手にとって、
どちらが欲しいかをじっくり考えて、
選びなさい。」
そういって、選抜に漏れたモノは、
すばやく親が棚に戻してしまう。

ステップ7.
最後に残ったひとつを、子どもと一緒に
レジで買う。

あるく女の子
これを何店舗かで子供に繰り返させたら、
子供は不思議になんでもかんでもカゴに
入れることがなくなりました。
きっと一瞬欲しいと思ったものも、
そのほとんどはほんとに欲しいものではない。
ということを知ったのでしょう。
また一旦カゴに入れたものを戻すのが
面倒くさくなったのでしょう。
そしてなにより、
自分の父親はケチで、100円ショップで、
どうやったって1個しか買ってくれないんだ。
ということを理解したのでしょう。

 

この方法で、果たして娘が、
買い物上手になったのか、
さっぱりわかりません。
でも、
「あふれるモノと向き合ったときの自分」
というものを少し知ることになったと
思います。

 

なによりカゴにいっぱい好きなモノを
入れた娘は、いっとき満足感にあふれていました。
買い物欲なんてものは、
実はそんなものなのでは。
カゴがいっぱいになるだけで満足できるなら、
お金がかからなくていいのですが、、、