Q:「あなたが一番好きな吉野家のメニューは?」
A:「そりゃあー、牛丼でしょ!」
こんなわかりきった質問をする吉野家は、どういう意図でこのアンケートを行うのでしょうか?
これは、LINEの吉野家公式アカウントで始まった、
『吉野家ブランプリ2015 SUMMER』
というアンケート調査です。
期間は、6月22日~26日
スタートから3時間ほどですでに30000votes近くアンケートを集めているのはさすがですね。
このアンケートに投票した人は、吉野家公式アカウントにLINEでお友達になっている人で、かつなんのオマケもないアンケートにわざわざ投票する人ですから、「吉野家ファン」といっていいと思います。
つまり吉野家は、「吉野家ファン」を調査対象としています。
最初の3時間の結果は、もちろん牛丼の圧勝です。
牛丼以外の順位は次のようになっています。
1位 牛丼
2位 牛ねぎ玉丼
3位 牛カルビ丼
4位 ねぎ塩ロース豚丼
5位 ベジ牛
6位 鰻丼
さて、この順位からなにがわかるでしょうか?
実は新しいことはなにもわかりません。
吉野家は全国から集まる日々のPOSデータから、どのメニューがどれだけ人気があるのか、詳細に把握しています。
でもPOSデータではわからないことがあるのです。
それは顧客の性別と年齢層です。
LINEの公式アカウントサービスには、リサーチ機能がついています。先日個人向けに開放されたLINE@でも、ほぼ同じ機能が使えます。リサーチ機能は、投票やアンケートで、「性別」、「年齢層」、「居住地」の属性を取得できるサービスです。
吉野家の投票ではこのようになっています。
■性別:男/女
■年齢:
0-20
21-30
31-40
41-50
51-
■居住地:北海道~沖縄県
注目は「年齢」の項目。
51歳以上が十把一絡になっています。
つまり51歳以上はターゲットではありません。
吉野家は、どの商品が吉野家ファンのどの年齢層(20代、30代、40代)に響いているかを調査して、今後のプロモーション戦略に活かそうとしています。
そして吉野家が特に注目しているのが、「ベジ牛」です。
ベジ牛は、アンケートで牛丼の右隣に配置されています。
吉野家渾身の新商品ベジ牛の発売から1ヶ月、話題が一服した今、今後のプロモーションはターゲットをしっかり絞りこんで行われることになるでしょう。
小さく早いフィードバックループの好例。
次のベジ牛のキャンペーンが楽しみです。