自転車の最大の市場は欧州。
世界で最初に日本で電動アシスト自転車
を販売したヤマハ。
1990年代半ばに欧州市場に進出するも、
普及せずに10年後にに撤退。
2012年に再参入するも、数ヶ月で
中止。

その原因は、日本の技術を、
そのまま欧州に持ち込んだことにありました。

 

日本は法規制で、電動アシスト自転車は、
ペダルの踏み込みに応じて「アシスト」だけ
して、バイクのようにモーターで自転車を
引っ張ってはいけないことになっています。

欧州にはそういう制限がないので、
踏み込む力に関係なく、
ペダルを回してさえいれば、
モーターが自転車を引っ張ってくれます。

これに慣れた欧州のユーザーは、
ヤマハの踏み込んだときにだけ
アシストする日本方式に、
違和感をもったのです。

 

ヤマハは、営業、企画、設計メンバー総出で、
欧州を飛び回り、電動アシスト自転車の
ユーザーがどんな乗り味を期待しているか、
1年以上調査しました。

その結果生まれたのが、トリプルセンサーシステム
です。踏み込む力(トルク)とスピードに加えて、
クランクの回転を検知することで、
欧州の人が好む乗り味を実現しました。

ヤマハトリプルセンサー
出典:ヤマハ PASが選ばれる3つの理由

この技術は、日本市場向けにも導入され、
スムースな乗り味が、
ヤマハの電動アシスト自転車の
売りになっています。

 

失敗から全力で学ぶ組織力が、新技術を生み出しました。