戦略思考で、戦略を立てれば、必ず成功するのでしょうか?

答えは、必ずしも成功するとは限りません。
ただし、戦略を立てないときよりも数段成功確率が上がります。

 

学生のロボコンなどを見ていると、様々な戦略を見て取れます。

性能の強化を第一に考えるチーム
敵を攻撃することで邪魔をするチーム
防御に徹するチーム
思いもよらないワザを繰り出すチーム
……

限られた条件の中で、どんな戦略=筋書きを描くかの勝負。

対戦相手との相性もありますが、ユニークな戦略でこれは頭いいなぁ、と思うチームがトラブルであっけなく敗退したり。かと思えば、ちょっとしたシンプルなアイデアが、ダントツに強かったり。

ロボコン

「戦略なんて考えても、そうそう勝てるわけではない」
「だから戦略なんて考えても、仕方がない」

だいたい面倒くさくなってくると、誰でもそう言いたくなるものです。
なぜなら「戦略で必ず勝てるわけではない」という考えは、間違っていないからです。

しかし、この考えの落とし穴は、戦略を立てないときの勝つ見込みの低さです。
たとえば、優れた戦略を考えても、成功確率は3割だとします。それを低いと見ることもできます。
でも戦略なしにぶつかったときには、成功確率が3%ならば、成功確率は10倍ということになります。

 

戦略を立てて10回やって7回失敗したが、戦略を立てなくても30回やったら1回成功したということを、ヒトは印象的に覚えているものです。

しかし現実は、戦略を立てて10回やれば3回成功して、戦略を立てなかったら30回やって29回失敗するのです。

「戦略なんて考えても、そうそう勝てるわけではない」
「それでも戦略なしよりは、10倍まし」

それくらいで考えていればよいのです。
7割打てなかったと落ち込んでいる3割バッターはいません。