よく顔を合わせる人ほど、
年齢の変化を感じないものです。

一緒に暮らしている家族なんて、まさにそうです。
何年ぶりかに会った親戚が、娘に向かって、
「あら、大きくなったねぇ!」
なんてびっくりしていました。
よくある光景です。
親は、毎日少しづつ成長している娘に、
大きくなったなぁ!と思うことは少ないのです。

 

先日のソニーの記者会見に登場した平井CEO。
随分老けましたね。
髪は白くなって、目には古臭い老眼鏡。
ほんの数年前、颯爽としていた平井さんが、
あっという間にこんな風に年寄りくさく
なるなんて。

ソニー社員も平井さん老けたよな。と思って
いるはずです。
ソニー社員はたまには社長の顔をなんらかの形で
意識することがあるでしょう。
でも世間の人は、久しぶりに見たので、
社員が思っている以上に、
老けた。と感じているはずです。

 

同じように、ソニーにとって一番大事なものが、
老けました。
これを言うと、ソニー内外にいる私の知り合いから、
総スカンを食らうのは目に見えているのですが、
あえて言うと、

SONY

の4文字。
ロゴが随分古臭く見えるようになりました。

SONYロゴ

実はSONYのロゴは、時代とともに少しづつ
微調整されてきました。そして最後の変更が
1973年、昭和48年です。

ソニーのブランドとデザインに最後まで
こだわり続けた大賀ソニー元会長は、
「SONYの四文字は最大の財産」
という言葉を残しています。

それ以来、このSONYのロゴには
一切手をつけられていません。

 

そろそろどうでしょうか、変えたら?

ロゴなど変えても、業績は変わらない。

そういう批判がきこえてきそうです。
一般論としてはまさにその通り。

しかもソニーにとって、
この大事な大事な大切に守り通してきた
SONYのロゴを変えることは、
たいへん大きなリスクを孕むことなのです。

 

だからこそ、
SONYのロゴを変えることができるほどの、
リスクをとれる社長が現れたときこそが、
ソニー復活のスタート地点だと、
私は考えています。

大賀さん以来、それができる器の社長に、
ソニーは恵まれていません。

社内の猛反発を喰らい、社外から嘲笑を浴び、
それでもオレが変えてやる!
という社長が、ソニーを変えることになるでしょう。
数年はボロ雑巾のような会社になるでしょう。
今度は社長の首をすげ替えることもできません。
なぜならなり手が誰もがいないからです。
社員は会社を見限ってどんどん離れていくでしょう。
それでも残った社員たちが、
ソニーを変えることになるでしょう。

 

過去のソニーが好きな人達に、
ソニーを変えることはできません。
未来のソニーが好きな人達が、
ソニーを変えるのです。

 

社長とロゴ。

両方が老けて見え始めた今、
いよいよ復活の兆しが見えてきました!