SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というと、FacebookやTwitter、LINEのことを思い浮かべます。私の最初のSNS体験はうんと昔のことで、1990年ごろのことだったと思います。

そのころはまだ革命的WebブラウザMosaicが開発されておらず、Webという概念はまだまだ漠然としたものでした。パソコン通信が一部のマニアの間で盛んでしたが、あくまでクローズドなナットワークでした。大学間はすでにインターネットで結ばれており、E-Mailが普通にツールとして利用されていました。

そしてE-Mailに並ぶ情報交換システムが、ネットニュースでした。これが今で言うSNSの原型です。大雑把にいえば、2ちゃんねるのようなテキスト型の掲示板システムでした。当時、大学内の意見交換を越えて、日本全国、全世界の研究者(大学関係者がほとんど)に対して、自分の意見を発信し議論できるということは、それ以前に比べて画期的な状況にあったといえます。

そして現代のSNSが抱える闇の部分は、すでにこのネットニュース内ですべて表出していたといえます。

SNS闇・一旦発言した内容が消えない
・匿名問題
・大人同士の不毛なけんかが日常茶飯事
・悪意のある不正利用者の出現
・デマの拡散
・初心者いじめ
・パクリ
・なりすまし
・スパム
・ウィルス拡散
・アダルト無法地帯
などなど、、、

現代では、テキストに加えて写真、動画が手軽に扱えるようになったので、闇がさらに顕在化しやすくなりました。また、大学の研究者中心のある程度素性のわかる集団の実験的ネットワークから、大衆のネットワークになったことで、それまで出回るはずのなかった個人情報が容易にインターネットに飛び交うようになりました。

いまだにインターネットは壮大な実験場のような気がしてなりません。意見を述べる、発信する、議論する、フォローする、という行為がSNSがなかった時代とは根本的に変質しつつあります。闇をかかえながらもこの先、個人にとってもっとおもしろい時代がやってきそうな予感がしています。