武道における残心は、攻撃完了直後に生まれる隙に対する配慮の気構えと身構えです。

剣道の型と残心、見えるものと見えないもの
剣道で、ガッツポーズをして一本が取り消される動画を紹介しました。 これは単に、敗者に対する礼儀を欠いた行為だから。という理由ではありません。 相手を攻撃し技を決めた。相手はその技によりダメージを食らった。しかし相手は擬態して…


そしてもうひとつは相手に対する礼節という意味もあります。これはどのような理屈によるものでしょうか。

 

剣道には「打って反省、打たれて感謝」という言葉があります。
これ普通は逆ですよね。

「打って感謝」=ここまで打てるようになったのは指導者のおかげだから感謝

「打たれて反省」=打たれたのはなにか問題があるから反省して改善

 

しかし剣道では逆なのです。それはこういうことです。

「打って反省」=もっとよい心、打ち方があったのではないかと自らを反省

「打たれて感謝」=自分の弱さ、隙を教えてくれた相手に感謝

つまり、「打った」「打たれた」という勝ち負けの結果よりも、お互いをより高め合うことに重点を置いているのです。ですから打ったあとの残心とは、負けた相手への配慮というよりは、お互いが感謝と反省をする心構えということなのです。

感謝

これを商売に置き換えると、

「売って反省、売れなくて感謝」

になると私は考えました。

 

「売って感謝、売れなくて反省」

は当たり前。

 

「売って反省」=もっといい売り方があったのではないか、マーケティングの本質、売り込まなくても売れる状態にするにはどうすればよいか反省

「売れなくて感謝」=このままでは売れないということに気づかせていただいたお客様に感謝。

 

「売って反省、売れなくて感謝」

商売はお客様とともに育てるもの。
直販にふさわしい金言です。