意識高い系カタカナワードに、いちいちツッコミを入れるシリーズ。

ポリバレントプレーヤー

これは聞いたことがありませんでした。
どうやらサッカーのオシム監督が愛用していた言葉のようです。

ポリバレントとは「多価」という意味。
インフルエンザの多価ワクチンには、たとえばA型2種類+B型1種類のワクチンが混合されているワクチンがあり、一回のワクチン摂取で3種類のインフルエンザに対応できます。

ところが、インフルエンザワクチンの落とし穴は、A型は毎年変化しながら分化しているので、2種類だけではカバーできない。B型には大きく2種類あり、片方だけではもう一方にまったく対応できない。など、多価といっても万能ではありません。

同じように、ポリバレントプレーヤーはサッカーでは試合状況に臨機応変に対応できるプレーヤーのことを指しますが、やはり万能というわけにはいきません。また逆に、各ポジションのプレーヤーが与えられた役割しかプレーしない、ということも考えられません。つまり、プレーヤー全員が多かれ少なかれポリバレントプレーヤーであることを求められています。

サッカーキック

ポリバレントプレーヤーというワードは、各プレーヤーがより広範囲な対応力を目指すための、一種のスローガン的な使い方をする言葉なのでしょう。

組織には必ずいますものね。
「オレには関係ねー」って顔する人が、、、

ひとりひとりが専門性に特化することは、全体効率を考えた時に極めて重要です。得意なことを、得意なエリアで最大限にパフォーマンスする。それでこそみんなが生き生きと活躍できます。ただしその専門枠を固定化して内に篭もりすぎるのは弊害が大きすぎます。組織にとってもときにガンになります。緩やかな、ざるのような枠を意識したいですね。

専門性の高いプレーヤー、よりポリバレントなプレーヤー、その中間のプレーヤー、いろいろなしなやかさをもった多様なプレーヤーが混在して、それぞれを認め合える組織が気持ちのよい組織であり、成果もあがると私は信じています。