家に帰ってからも、学校の友だちと長電話。
母親に「いい加減にしなさい!」と毎晩ガミガミ怒られる。

これが昭和の女子高生のスタイルでした。

昭和の時代は、一家に一台固定電話の時代ですから、
一人が固定電話を専有すると、家の電話は毎晩機能しなく
なってしまうのが当時の母娘の課題でした。

そこで女子高生が注目したのが、おじさんたちのポケベル。

携帯のなかった時代、外出中の営業マンと
すぐに連絡を取るために使われていたポケベル。
ポケベルを鳴らされた営業マンは、
すぐさま近くの公衆電話から会社に電話をかけました。

ポケベルは待受専用なので、基本料金以外は電話料金がかからない。
おまけにちょっとした付加情報を送ることができました。

最初は数字だけだったので、

4649 よろしく
5963 ごくろーさん

などでしたが、やがて数字の組み合わせによりひらがなを端末で
表示できるようになりました。

2タッチキー入力
出典:2タッチ入力 (Wikipedia)


85 + 95 + 32 + 23 = よろしく

これが文字コミュニケーション文化の始まりです。

この仕組みに女子高生が乗っかりました。

目にも止まらぬ速さで、公衆電話のプッシュボタンを連打しポケベルに文字メッセージを送信。学校周辺の公衆電話が女子高生に占拠され、社会問題にもなりました。

つづく。

ポケベルからPHSへ乗り換えた女子高生たち
ポケベルで文字メッセージ文化を開花させた女子高生は、 1995年頃からポケベルからPHSへと端末を乗り換えました。 PHSは基本料金がポケベルと大差なく、 かつ文字メッセージの料金が音声通話に比べて 圧倒的に安かったのがその理由です。 …