世界初の伊藤園缶入り煎茶の発売が、1985年。
ネーミングを変えて大ヒットした缶入りお~いお茶の発売が、1989年。

ペットボトルの時代も同時期に始まっていました。
1983年コカコーラ、1985年キリンビバレッジが1.5リットルペットボトル飲料を販売開始。

 

伊藤園は缶入りお~いお茶のペットボトル化の開発に乗り出しました。緑茶は抽出後しばらくすると細かい沈殿物=オリが発生します。缶入りでは気にならなかったオリが、透明なペットボトルでは見た目を著しく損なうという問題点がありました。

さらに透明なペットボトルは光を通すために、緑茶の品質劣化が避けられません。

伊藤園はマイクロフィルターでオリを除去する方式を発明し、見た目の改善を実現しました。また緑茶のにごりがなくなれば、光が透過して劣化防止も抑えられ一石二鳥。世界初のペットボトル緑茶を1990年に発売開始しました。

お~いお茶
出典:伊藤園 お~いお茶

 

今となっては500mlペットボトルが主流ですが、当時は飲料業界が「使い捨て容器」という観点から500mlペットボトルの国内生産を自主規制していました。ところが輸入品はどんどん国内に入ってきました。お菓子メーカーのブルボンは、飲料業界の自主規制の存在を知ってか知らずか、厚生省を説得して500mlペットボトル飲料の生産を開始。堰を切ったように自主規制が崩壊したという経緯があります。

お~いお茶が500mlペットボトルを出荷開始したのが1996年。当時1000億円規模だった緑茶飲料市場は、その後2006年には4倍の4000億円を越える市場に成長しました。

2012年のデータでは、
お~いお茶(伊藤園) 8450万ケース
伊右衛門(サントリー) 4850万ケース
綾鷹(コカコーラ) 3850万ケース
生茶(キリンビバレッジ) 1860万ケース

で「お~いお茶」が圧勝です。