ムーブメントを起こすには、まず目立つこと。
そして面白イイことが大事。

まだ携帯が若者のツールだった時代。
2004年。

そのころツーカーセルラーグループ
(2005年にKDDIと合併、現在はAU)
は、

「話せりゃええやん」

タレントの松本を起用して、
他社と別の土俵、シンプル携帯
ポジショニングをとっていました。

そして次なる未開拓市場、

シニア世代向け

セグメントに対して、
商品企画をスタートしました。

若者のツールである携帯は、
多機能化がトレンド。

チャレンジャーのツーカーとしては、
大手のトレンドと逆行する
シンプル化を目指すのは、
正しい選択です。

企画担当者は、
どんな機能をそぎ落とせばよいか、
という観点で、
おばあちゃんの原宿、巣鴨で、
念入りな聞き込み調査をしました。

そこで気付いたこと。

シニアが使える電話は、黒電話。

つまり携帯電話の機能を、そぎ落とす
という発想では通用しなくて、

ダイアルして通話する。

という真のシンプル携帯こそが、
シニアに必要とされている。

こうして、ツーカーは、液晶画面のない
簡単ケータイ ツーカーSを発売。

シニアに大ヒットとなり、
その後の、シニア向けカンタン、シンプル
というムーブメントをつくりました。

そしてその時のキャッチコピーが、

「この携帯電話には、
説明書がありません。」

ツーカーS小

インパクトのあるキャッチコピーと、
言葉通りのシンプルな商品。

キャンペーンは巣鴨で
通話料無料体験キャンペーン
を開催。

「これなら使える」

とシニア同志の口コミで、
この体験イベントのことが伝搬し、
それをマスコミが取り上げて、
ブレークしました。

マスコミが取り上げたことが飛躍に
つながりましたが、
その飛躍につながる場は、巣鴨でした。

商品企画担当者が、

「そうだ、巣鴨に行こう」

と、巣鴨のおばあちゃんに直接、
話を聞こうと思った瞬間が、
飛躍の瞬間です。