技術経営の大学院で、ナレッジ・マネジメントという講義がありました。
のっけから「私はナレッジ・マネジメントなんて大嫌いなんです」というぶっ飛んだ先生でした。

『知と経営』の著者、花王元会長常磐文克先生です。

知と経営


「知」はナレッジだし、「経営」はマネジメントだから、同じようなものですが、常磐先生は、ITを使って知をデータベース化して、ナレッジ・マネジメントなんてカッコ良く言っている状況をよしとしていないのでした。

形式知、暗黙知をもっと深めて、集団に潜む知を「黙の知」と名付けました。

見えない知、黙の知、暗黙知
吉野家のうまさへのこだわりは、「見えない知」として組織の中に存在します。 この集団の中に埋め込まれている知を、我が恩師常盤文克(元花王会長)は、「黙の知」と名付けました。 一般的に、経営学では「暗黙知」がよく知られて…

商品開発、マーケティングのマネジメントと一体化させ、集団の技術経営を実践した花王の知の経営。「知」というとなにか無機質なもののようですが、実は「知」こそ人間くさいもの。見えないけれども確かにそこにある、集団としてのヒトの心の動きを推し量らないかぎり、知のマネジメントなど程遠いというのが、常磐先生の教えです。