傘ぽんは、今でこそあちこちで見かける、
便利な商品。

でもこういった、
「今までにないモノ」
をメーカーが発明して売り込んでも、
たいていは、
「そんな見たことないもの売れるわけない」
と言われてしまうのです。

 

傘ぽんの場合も、
村春製作所の2代目村上専務が、
苦労を重ねて試作した傘ぽんをもって、
販売店に営業をかけましたが、
どこからも取引してもらえませんでした。

雨傘

そんな中、新倉計量器だけが、
傘ぽんに目をつけ、取引することになりました。
最初担当者はまったく関心を示さず、
試作機は倉庫に置きっぱなしになっていたそうです。
たまたま新倉計量器の新倉社長が、その試作機を見つけ、
「商売になる」と直感したのがきっかけです。

 

しかし直感だけでは、モノは売れません。

 

新倉社長は、まず、
「傘ぽん」というネーミングを考えました。
このネーミングすばらしいですよね!

そして次に新倉社長は、
傘ぽんを「無料」でデパートや飲食店に
置いてもらいました。

これで傘ぽんのメリットを理解してもらうことが
でき、かつ人が集まる場所に置いたことで
認知度も上がりました。

こうして傘ぽんは、ぽつぽつと売れるように
なったというわけです。

 

飛躍の瞬間は、
新倉社長が無料配布を決め、
それを村上専務が受け入れた時です。

 

メーカーの発想は、
苦労して開発した製品を、
タダで配るなんて、とんでもない!!
というのが普通です。
これは価値のあるもの。
きっとわかってもらえるはず。
という想いが強いものです。

しかし、いままでにない商品というものは、
誰も使ったことがないので、
話を聞いただけではベネフィットは
伝わらないのです。
とにかく使ってもらうこと。
これしかありません。

 

使ってもらうにあたり、
重要なポイントがあります。

次回はそのポイントについて解説します。