駅や町中にあるジュースの自動販売機、
年間の売上がいくらぐらいか、
ご存知ですか?

 

全国平均100万円です。

一日平均3000円。

 

この数字、デフレで年々下がってきています。
そういえば、最近、
激安と書いた100円ペットボトルの自販機を
よく見かけるようになりました。

 

街中の自販機はメーカー直販が
ほとんどです。
メーカーがオーナーと交渉して、
場所を借りて設置。
売上の一部がオーナーの利益に。

 

つまり、飲料というモノの販売で、
メーカー側からとらえると、
自販機はメーカー直販マシン
ということになります。

 

一方、場所の賃貸ビジネスと考えると、
オーナーは場所を貸して、
家賃収入を得るビジネスと
いう見方ができます。

 

JR東日本はオーナーとして、
もともとはそういう考え方で、
メーカーにエキナカという
人通りの多い場所を貸す。
という発想のビジネスモデルでした。

 

ところが、JR東日本ウォータービジネス
としてエキナカの自販機ビジネスを
子会社化。
ビジネスのやり方をかえることで、
毎年売上を1.2倍以上
伸ばしています。

 

オーナー側から見た
直販ビジネスへの転換です。

 

オーナーは、
メーカーに場所を貸すのではなく、
オーナー自身が直接飲料を販売
するのです。

 

そうすることで、エキナカの自販機は、
コンビニになりました。

つまり、あらゆるメーカーの飲料を、
ひとつの自販機に混在することが
できるのです。

自販機

 

デジタルサイネージを活用した
JR東日本ウォータービジネスの次世代自動販売機
 
 

 

そして最大のポイントは、
すべての販売データは、
メーカーではなく、
JR東日本ウォータービジネス
に集まることになったのです。

 

Suicaなどの電子マネーも普及
していますから、性別、年代、時間帯
設置場所ごとの顧客の嗜好、導線が、
細かく分析できます。

 

例えば、女性向けと思われていた
りんごジュース。
実際には、夕方に20代から40代の
男性の購入が多いことがわかりました。

 

飲料メーカーに提案して、
パッケージを「本物感を強調」したもの
に変更して、売上アップ。

 

280mlサイズは、40代以降の女性が、
午後買い物途中で購入。
そこで、女性向けの小容量商品の
強化をメーカーに提案して売上アップ。

 

このように、顧客と直接の接点を持つ
ことで、
場所だけ貸していたときには、
得られなかった情報を手に入れる
ことができるようになりました。

 

さらに商品の提案力まで身につけることで、
より顧客の嗜好、志向にあった
品揃えをすることが、
できるようになりました。

 

直販は、利益率を上げることだけが、
目標ではありません。
商品開発にフィードバックすることが、
最大のメリットなのです。