イノベーター理論では、新商品の購入態度によって消費者を5つに分類しています。

イノベーター
アーリーアダプター
アーリーマジョリティー
レイトマジョリティー
ラガード

これはセグメンテーションの一種と考えることもできます。
ある市場、商品に関心のある顧客層を5種類に分けて、それぞれに対して攻め方を工夫する。もしくは、ターゲットを絞る。

ピザ切り分け

この分け方が秀逸なのは、時間軸の要素が加わっているところです。

イノベーター、アーリーアダプターがいち早く商品を購入したあとで、アーリーマジョリティーが動きます。レイトマジョリティーが動くのはさらにその後です。

 

よく「後追い商品」なんて呼ばれる新製品がありますが、これはアーリーマジョリティーがすでに動き出した、つまりキャズムを超えたことを見計らってから、同様の商品を市場に出すことをいいます。この場合のターゲットは、レイトマジョリティーです。

 

よくあるプロモーションの勘違いは、

1.後追い商品なのに、イノベーター向けのメッセージを発信

レイトマジョリティーは、革新性よりも安心感を重視します。すでに流行っていてみんなが使っているから安心して購入に踏み切ります。新しい冒険を煽るようなメッセージは逆効果です。

2.いままでにない商品なのに、アーリー・マジョリティーに発信

新しい機能を売りにした新製品でいきなりボリュームゾーンを狙おうとすると、こうなります。アーリーマジョリティーは新しもの好きなので、一見メッセージが彼らに刺さるような気になりますが、アーリーマジョリティーは実は慎重派でもあります。アーリーアダプターの評価が出揃うまでは、興味はあっても購入にまでは踏みきれません。キャズムをひとっ飛びに越えることはできません。

 

イノベーター理論のセグメンテーションで、自分たちがどこからどの順番で攻めるのか、時間軸を含めて冷静に考えてみましょう。