評価と2種類のばらつき、改善と努力と設計

で、2種類のばらつき、
「作るときのばらつき」と「評価する人のばらつき」
について書きました。

 

製造や設計に携わったことのない人には、
作るときのばらつき
がピンとこないかもしれません。

たとえば、スマホのプラスチックケース。
ぴったりスマホがハマるように
精密に作られています。
一見ばらつきがあるようには思えません。

これはばらつきがないのではなく、
1.ばらつきが小さくなるようにコントロール
2.基準を超えてばらついたものを破棄
この2つによって、品質管理しています。

プラスチックの製造方法は、
いってみればホットケーキを焼くようなもの。

ホットケーキの種をフライパンに流して、
固まったらできあがり。
冷めると少し縮みます。
どうがんばっても、少し大きさの違う
ホットケーキができてしまいます。

でも、お皿にのせてお客さんに出した時に、
隣の人のものと比べて、
「私のほうが小さい」
などと思われなければ、
それでいいわけです。

ホットケーキ

娘のスマホケースをネットで探していたら、
200円のシリコンカバーがありました。
レビューを見ると、
「ぴったりはまらず、ポケットから出し入れすると
はずれてしまう」
と書いている人、多数。

いくら安くてもこれは買いません。

 

原因は、
1.ばらつきが大きすぎる
2.検査基準が甘い

この両方が考えられます。

おそらくクレームが多すぎて、
在庫の叩き売り状態になっているのでしょう。

 

今度、なにか買うときに、
異常に安いモノがあれば、
購入ボタンを押す前に、
ホットケーキを思い浮かべてみてください。
踏みとどまることができるかもしれません。