なぜホンダはF1に参戦するのでしょうか?

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出典:マクラーレン・ホンダ復活!

 

今回の復帰について、
ホンダの伊東社長は記者会見で、
このように述べました。

「創業期よりレース活動を通じて、
技術を研鑽し、人材を育んできました。」

「F1という四輪レースの頂点にも
環境技術が大幅に導入されることを踏まえ、
自らの技術を世界で試し、磨くために、
この度、参戦を決意しました。」

社長の記者会見なんて、
スティーブジョブズを除いては、
たいていは詰まらないものですが、
ホンダの伊東社長の言葉は、
ホンダの歴史、経営理念を、
端的に表している、
すばらしいものです。

2008年12月に
ホンダはF1を撤退しました。

その半年後、2009年7月、
伊東社長は社長就任記者会見で、
このように所信を述べています。

「ホンダの基本理念『人間尊重』
の精神をもういちど重視しなければならない。」

「今後のホンダにとって重要なテーマは、
環境重視。」

「『環境と性能』がマッチング
するようなものがふさわしいと考えています。
例えば、そういった環境技術や環境性能が
競えるレースのあり方があるのならば、
是非とも参加していきたい。」

このときから、まったくぶれていません。

2014年からF1が、
エネルギー回生システムや、
ダウンサイジング過給エンジンなどの、
環境技術を大幅に導入します。

このタイミングで、
ホンダが再参戦するのは、
ある意味当然のことなのです。

ホンダがまだ世界に名も知られて
いないころ、1954年に、
創業者本田宗一郎が、
「マン島のオートバイT・Tレースで優勝する!」
とみかん箱の上に立って、
宣言したことは有名です。

7年後125ccと250ccの
2クラスで1位から5位を独占しました。

ホンダはそうやって、
世界のトップレースに参戦することで、
技術を高め、人を育ててきました。

直販は、市場という戦場に
直接参戦することです。

ホンダの場合は、
レースという場に、
直接参戦します。

どちらも、
なにより重要なことは、
戦いで得たフィードバックを、
自社の技術開発、人材育成に
活かしきる。
ということです。

それでは、なぜホンダはこうもぶれないのか?
それはまた別稿にて。

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