すったもんだの新国立競技場デザイン。
周辺の景観を活かした案に決着しました。

神宮外苑周辺は緑が多く、一つ一つの建造物が大きな造りで広々とした景観が特徴です。中でも私のお気に入りは、いちょう並木。

真っ直ぐな道路に、いちょうが整然と並んでいてどの季節も爽やかな空気が流れています。いちょうの一本一本がすべて空に向かって真っ直ぐに伸びていて、手間のかけ方が半端ではありません。

このいちょう並木は、遠近法でデザインされています。青山通りから絵画館に向かって緩やかな下り勾配になっていることに加えて、いちょうの高さ少しづつ低くしています。それによって、実際よりも距離感が出るように空間設計されています。

外苑前銀杏並木遠近効果

ここへ来ると気持ちが大きく晴れやかになるのは、そういうデザインの配慮があったのですね。

深慮あるデザインは街を変え、人の心を豊かにします。

新国立競技場が長く人に愛されるようにデザインされることを願います。