【カタカナにツッコミ】ファクトベース思考、事実とは何か？

【カタカナにツッコミ】シリーズ

このシリーズは、株式会社LIGの代表あいさつに出てくる意識高い系カタカナワードに、ひとつひとつツッコミを入れていくシリーズです。

前回は、コア・コンピタンスのコモディティ化。


今回は、ファクトベース思考です。

ファクトベース思考＝事実に基づいて考える

でいいではないですか。カタカナにしなくても。

事実とは何か？突き詰めて考えれば考えるほど、事実とは実に恣意的で曖昧なものだと思います。

ベッキーとゲスのLINEのやりとりは、おそらく事実なのでしょう。でもそれを確かめる手段が私たちにはありません。ベッキーという人に対する自分の意見をまとめようとしても、そこが引っかかってファクトベース思考が揺らぎます。私たちはベッキーという人のほんの一部分しか見せられていません。一部分は確かに事実なのかもしれませんが、見せられていない大部分の中に別の事実が隠されているかもしれません。


世界の年平均気温偏差
出典：気象庁


地球の平均気温が上昇傾向にあるのはおそらく事実なのでしょう。全世界的に異常気象が観測されていることもおそらく事実です。地球温暖化の要因のひとつが温室効果ガスであることも事実です。二酸化炭素が増えれば温室効果が増えるのも事実。しかし、二酸化炭素がどれくらい増えれば、地球温暖化にどれくらい影響があるか、ということは実はよくわかっていません。

参考：
ココが知りたい地球温暖化（国立環境研究所地球環境研究センター）


昨年イギリス王立天文学会で、２０３０年頃から地球はミニ氷河期に入る。という研究発表がありました。太陽の活動の変化が地球の気候に大きく影響するそうです。私たちはミニ氷河期にそなえて、むしろ地球を温室化しておいたほうがよいのでしょうか？？？

参考：
「２０３０年にミニ氷河期」大論争　英研究チームが衝撃の警告…気になる大論争の行方（産経ニュース）


結局事実はどこかに必ずあるはずなのですが、その事実は観測の仕方でいろいろな見え方をすると考えておいたほうがよさそうです。事実に基づいて考えるとき、その事実がどんな意図に基づいて観測されたものなのか、その意図を汲み取る努力をしたうえで、事実と向き合っていきたいですね。