キッコーマンのしょうゆ瓶や、成田エクスプレスのデザインで知られるインダストリアルデザイナー榮久庵憲司氏。

キッコーマンしょうゆ瓶
出典:ja.wikipedia.org

成田エクスプレス
出典:ja.wikipedia.org

JRAやミニストップのシンボルマークもデザインしています。

JRAロゴ
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東京オリンピックの招致ロゴで2016年、2020年どちらにもかかわっています。

招致ロゴ2016
出典:東京オリンピック招致委員会

招致ロゴ2020
出典:日本オリンピック委員会

 

2016年招致ロゴは東京都から依頼されてデザインしたもの。
2020年招致ロゴは、公募で選ばれた女子美大4年(当時)島峰藍さんの作品を選出後監修しました。

ロゴデザインは、ビルの垂れ幕から名刺までどんな大きさにも対応しなければなりません。榮久庵憲司氏はこの制限が美しいものを生み出す原動力であり、もっとも苦労する部分でもあると言っています。

私はかつて『幕の内弁当の美学』という本を書きました。限られた一尺四方の中にたくさんのおかずを入れて新しい風景を描く幕の内弁当。そこには互いに邪魔をせず、それぞれの特性を生かす美学がありますが、ここでポイントになるのは制限を与えること。制限を与えられると、そこで初めて想像力が働きます。そうしてすばらしいものが生まれてくるのは、わずか17文字で表現する俳句しかり、日本の電化製品しかりです。

出典:今の時代だからこそ求められる「結び」のこころ

デザインは、制限があってはじめて優先順位が決まり、切り捨てと凝縮から美が生まれます。制限のないデザインは逆に破綻します。最近の最も悪い例が新国立競技場の計画白紙化です。JSCがあらゆる業界の意見をすべて受け入れ、予算青天井で進めた結果、ゼロリセットされました。

俳句の国、日本。

あえて厳しい制限を課すことで、美しいものを生み出したいですね。