日本ラグビーの試合における戦略思考の有用性について、以前考えました。

戦略思考で日本ラグビーは決勝に進めるか
ラグビーワールドカップ2015。日本はグループリーグで3勝しながらも、惜しくも決勝トーナメントに進出できませんでした。もともとワールドカップで1勝しかしたことのなかった日本が、3勝もしたのですから、これは快挙です。 これまで一次リーグ…


素晴らしい結果を残した日本のワールドカップラグビー2015は、10月いっぱいで惜しまれつつも退任したエディー・ジョーンズヘッドコーチの功績が大です。

南アフリカ戦3点ビハインドでのエディー・ジョーンズヘッドコーチの指示、「同点キックを狙え」に対して、チームが「逆転トライを狙う」と選択したことが、その象徴です。

自分たちで考え、自分たちで勝つ。

優しく自己主張の少ない日本人に、その意識を植え付けるための日頃からの工夫を怠りませんでした。たとえば、作戦会議は日頃から選手だけで話し合う時間をとっていました。

ラグビー日本代表s

しかし、エディー・ジョーンズヘッドコーチが就任してからもっとも重要視したことは、日本人の弱点を克服することではなく、日本人の強みを最大限に活かすことでした。

素直さと勤勉さ

言われたことは文句も言わず、誰よりも一生懸命練習する力。これは世界一だそうです。そこで朝5時に始まる世界一厳しい練習メニューを選手に課しました。選手は練習量の質と量では誰にも負けない自信と実力をつけました。

弱点補強と強み増強

一般的に弱点のほうが目につきやすく、まず弱点補強にとりかかりがちですが、最優先すべきなのは強みの増強のほうです。強みを増強しながら、弱点にも気を配る。この優先順位を意識するだけで、日頃からの取り組みが変わってきます。