錦織圭がジョコビッチもどきと何度も練習出来たらいいよね。
と、前回書きました。

ヒトの進化を加速させる人工知能
GoogleのAlphaGoが、囲碁の世界ランキング4位にランキングされました。世界ランク4位だったLee Sedolに4勝1敗したのですから、当然ですね。 AlphaGoに使われているDQN(Deep Q-Network)というアルゴ…

ディープラーニングは、モノマネが得意です。

ディープラーニングものまね文字
Reference:Semi-supervised Learning with Deep Generative Models


これはアムステルダム大学とグーグルが共同で出した2014年の論文からの抜粋です。

一番左端の数字が誰かが書いた手書きの数字です。あらゆる人の手書きの数字の書き方についてディープラーニングした人工知能に、そのたったひとつの数字を見せます。すると、これを書いた人は他の数字をこう書くんじゃないか、と人工知能が予測して右側の0から9までの数字を出力します。

『1を聞いて10を知る』

とはまさにこのことです!「1」しか見てないのに、「8」の書き方が予測できるなんて、とんでもない能力ですね。

モノマネには二つの段階があります。

この動画↓では、モノマネ芸人コロッケが北島三郎でTOKIOの「宙船」を歌っています。


そのあと、志村けんの「宙船」、長渕剛の「どんくりころころ」と続き、大爆笑(^o^)

チェスや将棋でヒトに勝ったコンピューターは、北島三郎の「与作」をモノマネするレベル。囲碁で勝ったディープラーニングは、北島三郎で「宙船」レベルに進化したといえます。

高度なモノマネは、北島三郎をマネすることで、単にその歌い方や仕草をトレースできるだけではなく、「北島三郎らしさ」という抽象的な概念を抽出して記号化し、その記号を使って北島三郎が歌ったことのない歌を歌うことができるようになる技術です。

ディープラーニングも、単に囲碁のルールを理解したり、過去の棋譜を記憶して適応するだけでなく、「ゲームの勝ち方」を抽出して記号化し、その記号を使って新しい勝ち方を創造することができます。

創造はモノマネから始まります。

ディープラーニングの技術革新が進めば、人工知能がアウトプットするようなアイデアを創造性とは呼べなくなってきます。ヒトは真の創造性とはなにか?という課題に直面することになるでしょう。