小麦粉、こんな基本的なアイテムも、ターゲットを絞り込んで徹底的にターゲットの使用状況を観察すれば、イノベーションが生まれます。

 

日清が2月から発売した『日清クッキングフラワー』。
ボトルタイプで塩こしょうのように、サラサラとふりかけることができます。

日清クッキングフラワー
出典:日清クッキングフラワー

なぁーんだ、それだけ。
と言う事なかれ、綿密な商品企画と技術開発の産物なのです。

 

袋タイプの『日清フラワー』60周年を迎えるにあたり、売上微減傾向の小麦粉新商品開発がテーマになりました。食生活の変化により天ぷらやお好み焼きのような小麦粉をたくさん使う用途は減少し、しょうが焼きやホワイトソースなどの少量使う用途が増加していることに着目しました。

つまりターゲットを、しょうが焼きに少量使うひと、に絞りました。

ターゲットを絞ることによって、はじめて小麦粉の使い方が限定され、ターゲットを詳細に観察することが可能になり、ターゲットにとっっての現状の不満点がはっきりと炙りだされることになりました。

 

■ターゲットの不満点

粉が散って汚れる
保管の際に密閉できない
粉が袋から出しにくい
ふるうのが面倒
使い切れない

 

この不満点を解消するために、ボトルタイプの容器のアイデアが生まれました。さらに小麦粉自体も新たに独自製法を開発しサラサラにしました。

たしかにしょうが焼きにサラサラふりかけるのが、いままでに比べて格段に便利になりそうですね。

こうして一袋1kg200円程度の小麦粉を、
一瓶150g200円で売ることに成功しました。

 

身近な小麦粉でさえ、これだけの変態をすることができるのですから、既存のどんな商品もターゲットの絞込み次第では新たな展開ができそうです。一度商品企画開発を見なおしてみてはいかがでしょう。