いち時期、北米に出張すると、
ビジネスマンは、
携帯画面の下のちっちゃなキーボードを、
かちゃかちゃして、
メールをバシバシやりとりしている光景を
よく見かけました。

Blackberryです。

blackberry

Blackberry社の前身、
カナダの携帯メーカーRIMは、
2009年にはスマートフォンの
全世界シェアが20%ありました。

ところが、2012年には、
4.6%になりました。

2008年当時のRIMの役員は、
市場調査の結果、
iPhoneやAndroidスマートフォンが、
主流になることはないと、
自社の独自路線を突き進むことを
決断しました。

その時の市場調査結果がこれです。

・物理的なキーボードがない
・電池が一日も持たない
・少しの衝撃で画面が破損する

このような欠陥のあるスマートフォンを、
ユーザーは購入しない。

確かに、iPhoneは、2013年の
いまでも、これらの欠陥をかかえたままです。

一方のBlackberryは、

物理キーボードの先駆者
ロングライフバッテリー
堅牢な作り

と三拍子揃っています。

 

これが、市場調査の罠です。

 

市場調査は

企業の考えた戦略を、
後押しするために行う。

という側面があります。

 

つまり、Blackberryの戦略は、
はじめから決まっていたのです。

自分たちの「それまでの強み」は、
物理キーボードにあったわけですから、
それを中心に見据えた市場調査結果は、
Blackberryの経営陣に都合の良い
結果になってしまうのです。

まだiPhoneを経験していない市場に
対して、
iPhoneの欠陥と、実績あるBlackberryの
強みを比較すれば、回答はおのずと
Blackberryに軍配があがります。

 

でも結果はまったく異なりました。

市場調査の結果は、無意味どころか、
Blackberryの息の根をとめようとしています。

Blackberryはこの8月に身売りを
検討中と発表しました。
市場調査の結果を、そのまま信じて、
未来を決定してはいけません。

その結果は、あくまで、

現状の分析

でしかないのです。