ソニーに入社して2年後にプレイステイションが発売されました。
初日に秋葉原で並んで買ったことを覚えています。

PS1

 

それまでゲームがそれほど好きだったわけではないのですが、
家庭で「何度でも」できる3Dのゲームマシンに、
のめり込みました。

 

一番おもしろかったのは、ジャンピングフラッシュという、
跳躍系のアクションゲーム。
バーチャルサラウンドヘッドホンをつけて、音を3Dに。
そして主観視点にして、ヘッドマウントディスプレイを装着。

すると、まるで自分が空高くジャンプしているような気分
を味わえました。着地して、高い崖から、
はるか下界を見下ろすと、
本当に足がすくんだものでした。

 

 

あれから20年。

PS4がいよいよ日本で発売されます。

PS1から比べれば、とんでもない処理能力の進化です。
なにしろ20年たったのですから。
ムーアの法則によれば、
半導体の集積密度、すなわちトランジスタ数は、
20年で10000倍になるといいます。

 

それではプレイステーションは、20年のあいだで、
なんどのイノベーションを起こしてきたのでしょうか?

 

答えは0回。

 

イノベーションを、社会的に大きな変化をもたらす変革。
と考えると、それほどのインパクトはPS1の登場以来、
一度もないのです。

10000倍の処理能力に支えられ、10000倍の
高精細、高速処理のリアリティーあふれるモンスターマシン。
でもどんなに登場人物の描画がきめ細かくなっても、
背景が詳細に描かれていても、
現実のリアリティにはほど遠い。
そうこうしているうちに、人々は、
スマホの小さな画面で、Angry Birdsという、
怒った鳥を、ピヨーンと指で弾き飛ばすことに、
熱中し始めました。

 

 

しかし私はソニーのプレイステーションに期待しています。
どうせやるなら、とことん10万倍でも100万倍でも、
能力を高めてほしい。

そして「ぞっ」とするような、とんでもないリアリティーの
世界を追求してほしい。
8Kの世界になれば、それは実現します。
それまでソニー、なんとかふんばって!!!