3Dプリンタが流行っています。
3Dといえば、画面の中でグリグリ動くものというイメージですが、画面の中の立体が、現実に形になるのですから、すばらしく楽しいおもちゃです。

最近では3Dプリンタで拳銃を作って、家に持っていた大学の職員が逮捕されました。道具は使いようですね。ナイフで竹槍をつくって町を走れば、逮捕されるのと同じです。ナイフが悪いわけではない。

この素晴らしい3Dプリンタを発明したのは日本人です。名古屋市工業研究所の研究者、小玉秀男氏が1980年に特許を出願しました。国内外で論文も発表しています。その後同様の発想の特許が米国から出されましたが、そのとき、小玉氏の特許は、出願審査請求の期限=7年を過ぎており、小玉氏が特許の権利を取得することはできませんでした。

したがって小玉秀男氏の特許収入は0円。

一方、1987年に米国で3Dプリンタの特許を取得したチャック・ハル氏は起業し、世界最大の3Dプリンター製造会社3Dシステムズを育てました。

3Dプリンタ
出典:3Dsystems

発明という行為は人類にとって素晴らしい恩恵です。これと特許とは別物です。特許は出願するだけではほとんど意味はありません。なにかを作り出したいからこそ取得するものです。主婦が特許で○億円稼いだなどの話は、たいていその主婦が苦労して作ってくれる工場を説得して、自分で売り歩いて、はじめて販売につながっています。

発明家と事業家は違います。
どちらが偉いということはありません。
事業家は苦労して当たれば大きいですが、
失敗の確率が極めて高いハイリスク・ハイリターン。

発明家であり、事業家でもあった有名人エジソンは、自分の発明の権利保護に貪欲で、「発明王」と並び「訴訟王」とも呼ばれています。