新型スカイラインのターゲット層に関して、
ネットで「ターゲット絞りすぎでは?」と疑問の声が
あがっています。

スカイラインデザイン_s

出典:日産新型スカイライン

常日頃から「ターゲットは絞るべき」と主張している
私としては、これは捨て置けないと、
元ネタを探してみました。

これが元ネタ。

「新型スカイライン」の想定顧客 実は600人位しか実在しない?産経ニュース

 

あああ(・o・)
商品企画のプロダクトマネージャーが、
勢い余ってしゃべりすぎ!!

産経新聞の記者のインタビューにこう答えています。

--ターゲット層は

「年齢でいうと40代前半の男性。共働きの奥さんがいて、娘が1人。外資系企業で管理職をしており、非常にタフな環境の第一戦で活躍している人。都心のタワーマンションに住んでいる。まあ、私の友達にはあまりいないタイプだが…。重きを置いているのはむしろ価値観だ。良くも悪くも自信家で、自分に厳しい人。車を選ぶ際にも見えやブランドは気にせず、自分で『車はこうあるべきだ』と思ったものを追求する、厳しい審美眼を持っている」

これはペルソナと呼ばれている典型的なユーザーモデルの説明ですね。

これを見た読者は、

「こんな人いるの?ターゲット絞りすぎでは?」
「私、外資系管理職じゃないですし、、、」
「自分とはかけ離れているなあ」

という反応になってしまいました。

 

これを受け、想定顧客をまじめにフェルミ推定した
おもしろい記事が出ました。

「新型スカイライン」の想定顧客 実は600人位しか実在しない?
ガジェット通信

月産200台だから、3ヶ月で終了だあ!
と書いてあります。完全に悪乗りですね。

 

実は

記者にターゲットは?と質問されたときに答えるべきターゲット

と、

社内で共有すべきターゲット

は、異なります。

ましてやターゲットとペルソナは、
使い方が違います。
商品企画マネージャが答えたペルソナには、
広告代理店の影がちらつきます。

 

これが広報の担当者なら、まったく違う答え方になったでしょう。
この商品企画マネージャは、この新型スカイラインに、
ただならぬ思い入れがあるのでしょう。
ですから力が入っているのです。
横断戦略企画も担当しているので、
強力に社内を横断的に説得して、
過去のしがらみを断ち切って、
新しいスカイラインのコンセプトを生み出したのです。
そして広告代理店ともタッグを組んで、
生まれ変わったスカイラインを認知してもらおうと
がんばっているのです。
すばらしい方なのです。

しかし目線がいくぶん社内よりになってしまいました。
これは大企業の商品企画では、ある意味必然的です。
顧客の代弁者として、社内を説得する立場にあるわけです。
顧客のことを精一杯想像力を働かせて考えながら、
説得する相手は社内なのです。
広告の稟議を通すのも社内なのです。

広報は違います。
常に外からどう見られるか?どう評価されるか?を意識しています。

 

産経ニュースの読者は、
マーケティングの専門家ではありません。
ペルソナは聞いたこともないですし、
ターゲットという言葉を、マーケティング用語としてではなく、
一般的な会話の意味で解釈します。

 

ターゲット=「誰に売りたいか?」

と考えるのが普通でしょう。

 

では、いったいどう答えるべきだったのか?
外向きのターゲットと内向きのターゲットは、どう違うのか?
ターゲットとペルソナの関係は?

ここは大事なところなので、
次回↓しっかり説明します。

外向きのターゲットと内向きのターゲット

スカイライン上質の走り_s