中学生が学ぶ公民には、

消費生活を支える流通

という項目があります。

ここでは、生産者から消費者までの、
モノの流れが説明されています。

 

中学3年の娘には野菜で説明しました。

野菜を作っている生産者の立場に立つと、

北海道でつくったじゃがいもを、
全国各地の消費者に売りたい。

でも全国から注文を受けて、
一袋ごと発送するのは手間とお金がかかる。

近くの農協にまとめて出荷するほうが楽。


一方、野菜が買いたい消費者の立場に立つと、

じゃがいも一袋を買いたい。
北海道には星の数ほど生産者がいる。
鹿児島産もあれば、千葉産もある。

どれを選んでよいのか、価格を調べたり、
産地や品種を調べたりするのは面倒。

近くのスーパーにいけば、
何種類かのじゃがいもが並んでいるから選ぶのが楽。

じゃがいも

ということで、生産者と消費者、
お互いが直接つながろうとすると、
手間がかかるので、
生産地の農協と、消費地のスーパーを
つなげる役割があると便利。

それが、卸売市場と呼ばれるものです。

 

直販とは、端的に言えば、
卸売市場を介さずに、
手間とお金をかけてでも、
生産者と消費者が直接つながる販売方法です。

具体的には、
インターネットを使って、手間を極力簡単にする。
宅配業者が、宅配をリーズナブルに実現する。

ここまで直販をシンプルに考えると、
結局直販でキーになるのは、

ネット宅配

ということになります。

 

1.消費者がネットで手間をかけずに、
自分のお店の商品にたどりつく。

2.消費者が手間をかけずに買える。

3.手間をかけずに消費者のもとへ
安く宅配してくれる。

この3要素を突き詰めればよいのです。

 

楽天が強い理由がわかりますね。

消費者が楽天で「じゃがいも」と
検索すれば、ランキングや価格、生産者、
農薬の有無などがすぐにわかる。

クレジットカード登録しておけば、
クリック数回で注文と決済が完了。

住所などを入力しなくても、
登録済の住所へ宅配してくれる。

送料無料なら、なお歓迎。

楽天は生産者(ほとんどの場合は販売者)と、
消費者の間にいて、

情報の卸売市場

をシステム化していると言えるでしょう。

しかし楽天の優勝記念セールでも明らかになったように、
結局楽天が儲かるようになっていて、
お店の利益が搾り取られています。

 

楽天に頼らずに直販をしたい。
でも楽天の利便性には太刀打ちできない。

となると、おのずとやるべきことが見えてきます。

 

楽天より手間がかかるけれども、
それでもどうしても買いたくなるようなサイト
になっているかどうか。

そこがクリアできていないと、
注文ボタンを押してもらえる直販サイト
にはなれません。

また、利便性がよいほど、
つまり楽天の利便性に近いほど、
難易度も下がります。

すなわち、
利便性が悪ければ、
相当説得力がなければ、買ってもらえません。

 

一度そういう視点で、
自社の直販サイトを眺めてみてください。