ル・クルーゼのお鍋。
コトコト煮るような煮込み料理に活躍します。
色、デザインがおしゃれで、
うちに3種類のル・クルーゼがあります。

しかし、どれも重い

 

保温性を高めるために重いのかと思いきや、
どうやらそれだけではないようです。

ル・クルーゼのような鋳物の鍋は銑鉄から作られます。
銑鉄は炭素含有量が高く、硬くて熱伝導性が高いかわりに
衝撃を与えると割れやすい、
という欠点があります。

だから簡単に割れないように、厚くする必要があるのです。

 

この重さを解決したユニークな鋳物鍋が、
「Ferramica(フェラミカ)」です。
日本製です。

フェラミカ

 

出典:フェラミカ

 

鋳物で有名な川口にある伊藤鉄工が開発しました。
伊藤鉄工は、IGSというブランドで知られるマンホール業界では、
有名な会社ですが、もともとキッチン用品は素人でした。
しかし、地元川口の主婦へのモニター・アンケートを繰り返し、
ル・クルーゼの真似ではなく、「重さ」に着目。

軽い鋳物鍋

にチャレンジしました。

一般の鋳物よりも強度の高いダクタイル鋳鉄という
材質を用いましたが、粘りが強い性質のために、
成形不良を起こしやすいという課題がありました。

高温で素早く流しこむのが鋳物の常識でしたが、
逆に静かに流し込むことで、この問題を解決しました。
1年かかりました。

そして、厚さ2mmという驚異的な薄さの鋳物鍋
を完成させ、40%の軽量化に成功しました。

 

伊藤鉄工の子会社ファラミカは、
開発ターゲットをモニター・アンケートから発見しただけでなく、
デザインも主婦モニター・アンケートを繰り返して
改良を重ねました。

アンケートのフィードバックを正しく活かした
商品開発です。