ヤマダ電機が中間決算でとうとう赤字に転落しましたね。

粗利が昨年の25.3%から22.5%に落ちています。
その要因は、ネット販売との価格競争です。

 

それにしても、落ちたとはいえ
ヤマダ電機の粗利が22.5%
というのは、電機メーカーからすれば、
随分いい商売だなと映ります。

というのも、ヤマダ電機は、
そもそも値引き販売が常態化しているからです。

3割引きしても、2割以上の粗利を確保できる

ということは、メーカーがヤマダ電機に、
いくらで卸しているか。

簡単に計算ができますね。

現実には、新製品からいきなり3割引き
ということもないですし、
バックマージンもありますから、
そんなに単純ではありません。

 

いずれにせよ、
国内販売に関しては、
メーカーもヤマダ電機も、
共倒れ
の状態になってしまいました。

 

この構図をもっと身近な例で
置き換えてみましょう。

 

休耕地を畑にして野菜をつくるとします。
丹精込めて作った野菜を、
八百屋さんに売ってもらうことにします。

きゅうり2本50円で卸して、
八百屋さんでは2本100円で販売することに。

 

夕方、店じまい前に、売り切りセールで、
2本70円。

それに対抗して近くのスーパーが、
早い時間からきゅうりを70円で売り始める。

 

セールが常態化し、
お客さんもだんだんきゅうりの相場は、
2本70円と思うようになり、
ついにエブリデイロープライスで、
スーパーも八百屋さんもつねに70円に。

八百屋さんから、仕入れ価格を、
50円から30円にしてくれないかと、
相談がある。

 

そうこうしているうちに、
スーパーは太くてまっすぐな形のいいきゅうりの
仕入れ先を開拓。

仕方なく、
こちらでは、
休耕地をさらに増やして、
今まで使わなかった化学肥料を使い、
太くて、まっすぐなきゅうりをつくりはじめる。
卸価格は2本30円。

 

一方のスーパーは、
店舗の効率改善に成功して、
きゅうりの値段をさらに下げる。

八百屋さんも対抗して値下げせざるを得ず、
ついには、八百屋さんもきゅうりをつくっている
自分も赤字に。

 

なんのためにきゅうりをつくって、売っているのか、
わからなくなる。

 

そこで、

 

八百屋さんとの取引はやめる。

かわりに、畑に小さな小屋をつくる。

化学肥料は一切やめる。

「有機野菜」というのぼりをつくる。

ワンコイン無人販売をスタート。

野菜無人販売所

きゅうり2本100円。

形が悪いきゅうりでも、よく売れることに気付く。

農作業をしていると、たまにお客さんから
「おいしいお野菜、いつもありがとう」
と言われる。

 

これが直販。