時代はエネルギーの分散化、モバイル化に確実に進んでいます。大震災でライフラインの脆弱性は身にしみました。次の震災でもし生命と家が残っていたなら、まず確保したいのは「水」。これでなんとか生きていけるとしても、次は最低限の生活のクオリティーが欲しくなるもの。そんなときに活躍するのが、カセットコンロです。これがあれば熱々のカップラーメンが食べられます。

カセットコンロ

そんなわけで、我が家にはカセットボンベの買い置きがたくさんあります。これを使わなくて済むように願っていますが、、、

最低限の生活クオリティーが確保できたなら、次は情報の確保。それには電気が必要です。灯りはろうそくを使うとしても、通信機器は充電が不可欠。手回し充電器付きラジオも準備していますが、潤沢な情報を仕入れるには、コンセントを使いたい。

そんなときにも、ホンダのこれがあれば、カセットボンベで発電できます。10万円以上しますが無性に欲しくなるモノです。

ホンダピアンタ
出典:ホンダ エネポ

そんな優秀なモバイルエネルギーとしてのカセットボンベは、岩谷産業が1969年にカセットコンロとともに初めて発売しました。

戦後プロパンガスの販売事業を軌道に乗せた岩谷産業は、ユーザーの家庭で、ひとつの不満を発見しました。

「食卓で鍋をするときに、ガスのホースがめんどくさい」

これ覚えがありますね。準備もたいへんですし、長いガスホースに足を引っ掛けたらたいへんなことになります。これがカセットコンロ開発のきっかけです。

カセットコンロの最大のベネフィットは、一言で表せば「モバイル」なんですね。ノートブックパソコンを家庭で、電源コードなし、WiFiで使う快適さと似ています。

既存商品のユーザーの使用状況を細かく把握して、その不満の解消をとことん追求する。それがカセットボンベの発明につながりました。

カセットボンベのパイオニア、岩谷産業のカセットコンロのシェアは今でも55%と圧倒的です。