コンビニコーヒーに押されて、
防戦一方の缶コーヒー市場。
1990年代、圧倒的なシェアだった
ジョージアが今もナンバーワン。
しかし2位のボスは長期にわたって、
ジョージアのシェアをじわじわと
奪い続けています。

 

3位以下は混戦状態ですが、
ターゲットを絞ることで、
一歩抜けだしたのが、ワンダです。

2002年ワンダは、
「朝専用」の「ワンダモーニングショット」
を発売。
それ以降じわじわとシェアを伸ばし、
5位から3位に浮上しました。

ワンダモーニングショット

当時、自動販売機に、
「朝専用」の缶コーヒーが並んでいる
のを見て、奇異に感じたものです。
なぜなら昼と夜にはまったく売れなさそうな
缶コーヒーが、一日中陳列されているのは、
とても無駄に思えたからです。

「ターゲットを絞りましょう」

と提案すると、
必ず返ってくるお決まりの反応は、

「それではお客さんが減る」

です。

自動販売機の一列に各社の缶コーヒーが
並んでおり、ひとつだけ、
「朝専用」
と書いてあれば、
それは不利に思えて当然です。

 

でもちょっとした計算をすれば、
そうではないことに気付くはずです。

単純化するために、
一日を朝、昼、夜に三等分します。
10種類の缶コーヒーがあり、
そのうちのひとつが「朝専用」です。

どの缶コーヒーも平均的に売れるとすると、
昼と夜は、「朝専用」以外の9種類の戦い。
しかし朝は9割が「朝専用」を買う独壇場。

朝90本、昼90本,夜90本売れる
とすると、
「朝専用」は、81+0+0で一日81本。
その他は、1+10+10で一日21本。

「朝専用」の圧勝です。

 

実際にはこんなに単純ではないですが、
ターゲットを絞ると一見不利に思えても、
十分にプラスのインパクトがあることが、
おわかりいただけると思います。

「朝」という時間軸に着目して、
ターゲットを絞って成功した、
ワンダモーニングショット。

ユニークなセグメント軸を見つけて、
ターゲットを絞ることで、
競合から一歩抜けだしましょう。