深海6500mの撮影。
日本が誇る大深度有人潜水調査船
しんかい6500なら可能です。

しんかい6500の建造費は125億円かかりました。
一回の潜水にかかる費用は、数千万円。

 

ここまで日本が気合いを入れているのは、
深海のプレートの動きを知りたいからです。
いつかまた必ず起こる巨大地震。
日本は少しでも情報を集めたい。

そして次の目的は、未知の生物を知りたい。見てみたい。
これは人類のあくなき欲求ですね。

 

この6500mという深度は、世界一ではないのです。
世界1位は中国蛟竜号で7020m。

中国が一番知りたい、海底鉱物資源は、
4000mくらいで十分。
それでも7000mまでいったのは、
なんとしてもしんかい6500を
超えたかったからだそうです。

 

さて、そんな日本と中国の戦いを尻目に、
建造費たった2000万円、潜水費用数十万円で、
日本海溝の深度7800mを覗いてしまった
人たちがいます。

江戸っ子1号です。

ご存知東京下町の町工場が集まって、
チャレンジする深海プロジェクトです。

世界初の水深7800mで魚群撮影の快挙。

有人というわけにはいきませんが、
未知の世界を覗いたうえに、海底の砂を採取する
能力があります。

江戸っ子1号については、いろいろなサイトで詳しく
書かれていますので、是非そちらを参照ください。

たとえば、NHKのhttp://www.sony.jp/camera/sony_videocamera/。

 

ここで私が声を大にしてお知らせしたいのは、
この「覗き」の技術サポートを、
”ソニーエンジニア有志たち”
が行った。ということです。

有志???

”ソニーエンジニアたち”じゃだめなの?
と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
そう。だめなんです。
ソニーのエンジニアはどこまでも懐が深いのです。
会社がノーと言っても、意義や意気を感じれば、
勝手に人を集めて、会社を休んで、
勝手にサポートしてしまうのです。
そんな度量のあるキーパーソンを私は知っています。

 

先日、その有志の人たちの報告会に参加しました。
技術的なサポートはもちろん、
マネジメントのサポートも重要だった。
とのことでした。
大企業で培ったモノづくりのマネジメントシステムは、
うまく適応させれば、中小企業に活かせます。

しかし一方で、大企業ならではの壁もあります。
会社非公認のプロジェクトを、
うまくいったからといって、そうやすやすと、
会社として乗っかるわけにもいかないのです。

心配していましたが、
ソニーはその壁を打ち破りました!

極限の目撃者

http://www.sony.jp/camera/sony_videocamera/
http://www.sony.jp/camera/sony_videocamera/

銀座のソニービルで3月10日から31日まで、
江戸っ子1号プロジェクト&3D映像公開イベント
が開かれることになりました。

江戸っ子1号に搭載されたのは、民生用の3Dハンディカム。
江戸っ子1号の報道ではしっかりソニーのロゴマークが、
ガラスの外から見えていました。

 

今、ソニーでは放課後のプロジェクトが、
いくつも立ち上がっているそうです。
もちろんどれも非公認の勝手プロジェクトです。

昔からソニーでは、やりたいことは机の下でやれ。
上司には見せるな。と言われてきました。

この文化がある限り、
そしてソニーがそれを認める限り、
ソニーは必ず復活します。

私はそれまで、ソニーの株を大事に握りしめています。

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