STAP細胞にみる技術の蓄積のにおい

では、STAP細胞の発見に、

やってみて、できればええやん

という技術蓄積のにおいを感じ取りましたが、
小保方リーダーは、技術志向の強い人なんでしょうね。
寝ても覚めても実験のことを考えている。
実験大好きで論文を書くのは苦手なのでしょう。
科学の世界では泳ぎづらい。

 

Natureの論文から波及して、
博士論文のコピペまであぶりだされてしまいました。
今回の業績と博士論文は関係ないとはいえ、
これはまずかったですね。

コピー機

 

『12歳からの現代思想』
岡本裕一朗著

では、コピペについて12歳向けにアドバイス
しています。

模倣を通して自分独自のものが生れる。
オリジナルからコピーが生れるのではなく、
コピーからオリジナルが生れる。
教育の世界でもコピペを否定することは不可能。
どんなコピペならよく、どんなコピペは悪いか。
を真剣に考えるとき。
コピペする知性こそが、現代社会の条件。

 

科学技術においても、
自分一人の独創だけで成り立つわけはなく、
これまでの人類の知恵、知識のうえに、
自分のオリジナリティーが立っていますよね。

だからこそ、科学論文は序章で
研究のBackgroundを明示したうえで、
自分の加えた新しい一歩を語るわけです。

 

小保方さんの博士論文では、
そのBackgroundをまるごとコピペしてしまいました。
「やってはいけないこととの認識がなかった」
科学論文における「悪いコピペ」の前例を作ってしまいましたね。

これが社員がつくる、経営者の決断を促す社内文書だったら、
「コピペでもなんでも、わかりやすい資料はやく持ってこい」
となるんですが。

 

ハイパーリンクの現代社会。
論文の形式も変わっていくかもしれませんね。
引用はすべてハイパーリンク。
Backgroundはリンクでつなげていく。
そこで問われるのは、「要約力」と「論理展開力」。

Aという論文ではこう述べている。
さらにBという論文ではこう述べている。
したがってCという仮説を検証すれば、Dという結論がでるはずだ。

たとえハイパーリンクの時代になっても、
丸ごとコピペはできないでしょうね。

 

Nature論文の画像転用も「悪いコピペ習慣」からきたもの
であって、STAP細胞の発生とは関係ない。
という可能性を今は信じたい。