沖縄の美ら海水族館にいったことありますか?

巨大水槽「黒潮の海」がすばらしいですよね。

この水槽のガラス、実は硝子ではなく、
アクリルパネルなんです。
厚さなんと60cm。

香川の日本プラという日本が誇る中小企業の製品です。

 

この60cmのアクリルパネル、実は何枚ものパネルを接着剤で
貼りあわせて製造されています。

携帯の画面に保護シートは貼るだけでも、
一苦労なのに、巨大なアクリルパネルを、
接着剤で貼りあわせて、
究極の透明度と強度を確保するなんて、
世界でこの会社しかできない技術です。

安い材料で、安易な技術で貼りあわせると、
せっかくの水槽のお魚たちが、
ゆがんだり、気泡がじゃまをしたり、曇ったりして、
きれいに見えないのです。

水族館

同じことがスピーカーケーブルでも
起きます。

 

接点のプラグとケーブルのはんだづけ、
ケーブルそのものの質、まわりからの
電気的磁気的物理的影響の受けやすさなどにより、
入ってきた音を、クリアにそのまま
伝えるのは至難の技なのです。

ですから、高価なケーブルは、
そこのところを、たいへん気をつかって、
考えて作られているはずです。恐らく、、、

 

水槽のアクリルパネルと違って、難しいのは、
その評価です。
そもそも音の収録は、まるごと音の空間情報を
記録することは不可能で、
いくつかのマイクで代表的なポイントの音を録音し、
それを上手にミックスしています。

ですから水槽におけるクリアさ加減が、
音の場合は評価のしようがないのです。

誰も録音現場の音を知らないのですから、
出てきた音がどれが「クリア」なのか、
誰も判断できません。

できるとすれば、自分の頭の中にある過去の経験値から、
自分の好みの音を引っ張り出して、
それと比べて、スピーカーから出た音を、
近いか近くないか、どう変化しているか、
などを評価することくらいです。

「クリア」な音が、「いい音」かどうかも、
なんともいえません。

 

結局、好きか嫌いか。

それくらいしか言えないのです。つまり、

「これはいい音だ」

というのは、

「これは好きな音だ」

と同義なのです。

 

1万円/25万円/75万円

の3種類のケーブル。

高いケーブルほど、
高価な材料や、高度な技術が使われています。

しかし、高いケーブルほどいい音とはいえません。

 

好みの問題です。

オーディオが「趣味」の世界であるゆえんは、
そういうところがあるからです。

「オレはこの音が好き」

という人に他人がとやかく言うことは、
ナンセンスなのです。

75万円のケーブルの音を聴いて、
「よっしゃ、気に入った!!」

と購入する人を、誰も止めることはできないのです。
※奥さんに値段は内緒だと思います。