知ってました?

シートベルトをしないで事故にあうと、
エアバッグが原因で
死亡することがあります。

エアバッグは0.03秒以内に爆発的に膨らみます。シートベルトをしていないと、エアバッグと顔面の距離が近すぎ、爆発の衝撃で重傷または死に至ることがあるのです。ダウンタウンの松本人志は、番組でエアバッグの実験をするときに、ハンドルに顔を近づけすぎて顔に大怪我をしました。

ハンドル

それほど危険なエアバッグの開発の課題は、
うまく膨らませること以上に、
誤動作しないこと
でした。

この理屈は、

速い車に最も重要な技術とは、電気自動車のイノベーション

で、エンジンの能力以上にブレーキ性能を高めないと、速い車は開発できない理屈と同じです。

エアバッグは衝突をセンサーで感知して動作をスタートします。コツンとぶつけたくらいで動作してもらっては困りますし、肝心の事故のときに動作しなくても困ります。車が直面する様々な状況を考えると、信頼性を高めるのがいかに困難か想像できます。

日本でエアバッグを発明した小堀保三郎は、1963年以降、世界14カ国で特許を取得。自ら私財を投じて開発を進めました。
しかし火薬使用が日本の消防法に抵触するなど、開発は難航し、開発費が尽きた1975年76歳のときに、夫婦で自殺。

ホンダは1971年からエアバッグの開発をスタートしましたが、開発は難航、量産化まで16年かかりました。
ホンダでは当初その信頼性の目標を99・9999%としました。これは100万台の車が15年間走行して、たった一回の誤動作という、とてつもない信頼性です。
この高い信頼性を16年かけて諦めず、1987年レジェンドに搭載しました。
今では世界的にエアバッグがほぼ標準装備になり、多くの人の生命を救っています。

世界で最初のエアバッグの特許はアメリカ人John W. Hetrickで1952年。
世界で最初に搭載されたのは、ベンツのSクラスで、1980年。
ベンツはこのときの特許を無償公開しました。

多くの人が、「車の安全」という目標のために、エアバッグに関わり、この困難な技術を高める努力を続けました。
結局は世界人類の総力戦ですね。

現在世界的に注目されている万能細胞による難病治療への様々なアプローチも、信頼性を確保して実用化するには長い時間がかかる技術開発です。
紆余曲折を経ながらも、いつかは、絆創膏みたいなテープを体の内外に貼れば、たちまち再生するようになると期待しています。

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