ウォームギアは、こんなやつです。

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ずっと眺めていても飽きないですね。
って私だけ!?

上のねじのような部分に、モーターの軸が刺さります。
モーターはたいてい回転が速いです。
でも力(トルク)は弱いです。

世の中には、重いものをゆっくりしっかり回転させたい。という用途があります。たとえば、人間ドックでバリウム飲んだ人を回転させるとき。ウォームギアが使われています。プラレールのギアボックスにはこのギアが仕込まれています。ですからありったけの車両をつないでも、先頭車両はがんばって引っ張ります。

また、微妙な角度だけ回転させることができます。電波望遠鏡の回転機構はこれです。身近なところでは、ギターなど弦楽器の糸巻き。弦の強い張力に負けずに、微調整が可能なのは、ウォームギアのおかげです。

ウォームギアは、ネジ歯車(ウォーム)が一回転すると、歯歯車(ホイール)の歯がひとつ進みます。モーターの速い回転は減速され、ホイールの回転スピードが遅くなった分、駆動力が増すのです。

 

産業用のウォームギアで、大手と互角にシェアを分けあっている中小企業が大阪にあります。マキシンコーです。大手が汎用品を得意としているのに対して、マキシンコーは特注品に特化しています。ということは、直販でつねに細かい難しい注文が持ち込まれるということです。

どんな難しい注文にも背を向けないのがモットーで、クレームにもすぐに現場に飛んで行く。顧客と直接接点を持つことで、つねに新商品開発のネタを探っています。また失敗を恐れず新市場開拓を怠りません。直販のメリットを活かしています。

船舶市場開拓のときは、錆びないアルミ製のハッチカバー用ギアを開発、納品したところ、海水による電解腐食でボロボロになりました。「常識やろ!」とお客さんに怒られたそうですが、そのような失敗談をあっけらかんとオープンにできる会社のチャレンジ体質が、大手とも互角に戦える秘訣ですね。

 

回転寿司の駆動部分にも使われているといううマキシンコーのウォームギア。マキシンコーに特注品を発注したい業界はまだまだありそうです。