根っからの地図好きです。
2万5千分の1の地図を、
1時間でも眺めていられます。

地図

海外旅行に高校の地図帳を持って行って、
初対面の人と話をはずませていた
時期もありました。
文化の違う人と、
世界中のあちらこちらを地図帳で
指さしながら、あーだこーだと話すのは、
なかなか楽しいのです。

学生の頃、自転車で旅をするときは、
国土地理院の5万分の1を
たくさん買い込んで、持って行きました。
自転車にとっては、幹線でない旧道や、
坂道の勾配、景色のよさ
など細かい情報が重要なので、
本当は2万5千分の1がいいのですが、
一日100kmくらいを移動するとなると、
枚数が増えすぎ。しかたなく5万分の1で
我慢していたわけです。

 

その頃から考えると、
スマホの地図は理想的です。
世界中どこでも瞬時に移動できる。
見たいところを存分に拡大できる。
これらの操作が直感的にスムースに行える。

スマホは移動のためのツールですから、
地図とは切っても切り離せません。
スマホがあれば、新しい土地にいくときの
不安から解消され、
下調べも効率的に行えます。

 

ところが、先日、シニアの方のスマホを
触ってびっくり。
地図のピンチイン、ピンチアウトが、
できないのです。
スマホの地図としては致命的です。

シニア向けのらくらくスマートフォン。
よく考えられています。
選択ボダンは大きく、
押したことがはっきりわかるように、
しっかり押しこむと振動します。
軽く触れただけでは確定しません。
それによって、意図しない画面に切り替わって、
わけがわからなくなる。
ということ防いでいます。

この発想はよいと思います。
昔私の母にパソコンのキーボードを触らせたら、
ひとつひとつのキーを、
しっかりギュッと押し込んでいました。
「ボタン」というものは、
昔はそういうものでしたから、
母の気持ちはわかります。

 

しかし、地図のピンチイン、
ピンチアウトはどうでしょうか?
アップルが発明したこの操作方法は、
それまでにはなかったものです。
新しい操作方法は新たに覚えればよく、
旧来の操作と混同することはありません。
もちろんダブルクリックに苦戦するシニアが、
ピンチインに苦戦することも予想できます。
でも本当に多くのシニアがピンチインの操作を
難しく感じるのでしょうか?

設定を変えると、完全に通常のタッチパネルに
なり、それはそれでシニアには
ハードルが高すぎます。
ピンチイン、ピンチアウトだけ
設定変更できるようになっていればよいのです。

 

私の身近なシニアたちは、パソコンやスマホに
挑戦し、メールを使いこなし、一人で旅に出て、
一人で宿を予約するような方々も多いのです。
ピンチインの操作がなんなくできるシニアにとって、
スマホで地図の楽しさを味わえないのは、
とても残念です。