星新一のショートショートにはまった時期
がありました。

最初に読んだのが、新潮文庫の百冊に
入っていた、「ボッコちゃん」。
中でも「おーいでてこーい」
という話が印象的です。

台風のあと、村に突然現れた不思議な穴。
どこまでも深く、何を投げ込んでも
飲み込んでしまう。
それに目をつけた利権屋が、
村から権利を貰い受ける。
利権屋は「やばいもの」を
処分するビジネスを都会で展開。
やがて原子炉の廃棄物まで、
その穴に捨てるようになり、、、

星新一らしい、巧妙な「オチ」に中毒になり、
しばらく星新一ばかり読んでいた覚えがあります。

 

しかし、まさかホントにそんな穴が、
この世に出現するとは夢にも思いませんでした。

それが、コレ。



穴ではなく、湖に突然出来た渦。
まわりのものをどんどんと
飲み込んでいます。
大きな氷の塊も、あっけなく、
吸い込まれていきます。
7分46秒の長い動画ですが、
最後まで呆然と見てしまいました。

そして思い出したのが、
星新一の「おーいでてこーい」だったのです。

この渦を見ながら、
いろんなことを想像してしまいます。
この渦の先はいったいどこに
いくのでしょうか?

渦
星新一が「ボッコちゃん」を発表したのが、
1958年。
そのころすでに原子炉の廃棄物は問題視
されていました。それから半世紀して、
いまだに解決していない、
放射性廃棄物の廃棄方法。
「放射性廃棄物をこの渦に捨てよう」
と本気で言う人が現れても、
不思議ではありません。